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宵々町奇譚〔学園祭編〕
学ー3
「何言ってるんですっ!茂が可愛くなければ意味ないですよっっ」
「そうよっ茂たんを可愛く撮り隊の隊員として可愛くない格好をさせるなんてありえないっ!」
「ひぃっ何か不穏な単語出てきた!」
 そんなわけわからない隊が結成されるなんて恐ろしいっ
 二人の迫力に気圧されて僕は昌都君の後ろに隠れる。
「茂、安心してください。茂を可愛く撮り隊のリーダーとして歴史に残るような素晴らしいメイドにしてさしあげますよ。」
「作ったのはお前かよっ。まぁ・・・頑張れ」
 女神のような美しい微笑みを向けてきた麗斗君に僕はうなづくしかなかった。昌都君の同情するような視線が痛い。歴史って、僕の中では黒歴史ってことだよね。

 あっという間に文化祭。その日は朝から忙しい。そして僕には当然メイド服が渡された。
「茂、ここまで来たら男らしくキメてとっとと終わらせようぜ。」
「男らしくって、着る服はガッツリ女物だよ。でも無事に終わらせたいよね。」
 白いシャツに黒いベストにズボンのボーイの衣装に着替えた昌都君に苦笑いをする。僕もそっちが良かったなぁ。
 覚悟キメて着替え終わるとボーイ姿にポニーテールの麗斗君にスタンドミラーの置かれている机の前の椅子に座らされた。
 煌びやかな化粧道具が並んでるねっ。
「メイド役は男女問わずメイクしますからね。」
「麗斗君メイド役全員メイクしてるの!?」
「そうですよ。とびっきり可愛くしてあげますからね〜〜〜」
 デザインに関わったりメイク担当したりとか今回やけに気合い入ってない?
「まさか僕をメイドにするために色々手を回したなんてこと、あるわけないか〜〜」
「・・・・・・・・さっ可愛くしましょうねぇ〜〜〜」
 一瞬笑顔で固まったよね!?さっきの間は何!陰謀?麗斗君が首謀者!?お、思えば思い当たる事があるような・・・・・・やめよう。もう何も考えないようにしよう。
 それから麗斗君の行動は早かった。髪の毛を押さえるためか頭にネットを被せると僕の顔をあっという間に作っていく。
「麗斗様っこれをっ」


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あきゅろす。
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