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宵々町奇譚〔学園祭編〕
学ー2
笑顔で答える麗斗君の後方には赤い髪のややつり目に男子の姿が!おわった・・・・・・
「とっとと戻るぞっちゃちゃっと終わらせようぜ!」
 僕の右側には麗斗君、左側には赤い髪の男子に腕を掴まれて僕は引きずられていくしか術がない。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜」
 我ながら情けない声だと思うがそれが二人に対する最後の抵抗だ。
 この赤い髪の男子はもう一人の幼馴染みの大天昌都(おおそらまさと)君なんだ。
 黙っていればカッコいいのに口が悪いから割と喧嘩を売られやすい。それをもれなくお買い上げして負けたことがないから凄い。おかげで女子からは乱暴だと遠ざけられてるけど本当は優しいよ。                    昔から僕は気が弱くて色々押し付けられる事が何度かあるけどそのたびに昌都君がかばってくれるんだ。
 そして昌都君はもちろん麗斗君も見た目のわりには力があるからそんな二人に捕まったら非力な僕なんて全く敵わない。
「女装ぐらいたいした事じゃねぇだろっお前の趣味ってわけじゃねぇんだから堂々としてろよっ別にクラスで茂だけが女装するわけじゃねぇんだろっ」
「ふふっ茂の女装姿はさぞ素敵でしょうね。スマホの待ち受けにしなくては。」
「ひいぃぃぃぃっやめてぇぇっっ待ち受けにしていいような顔じゃないからっっ!」
 昌都君は自分が女装しないからそんなこと言えるんだよっっ!
 抵抗むなしく教室に連れ戻されると採寸係の女子の本田さんがメジャーを手に待ち構えている。
 あらゆるところを採寸されていくけど鬼気迫るものが感じられる。
 用紙に僕の寸法を記入すると彼女は眼鏡を光らせて言った。
「いままでは原こ、いえ妄想だけだったけどメイドの茂たんの女装みれる日が来るなんて!しかも麗斗様も昌都様もボーイだなんてなんのご褒美なの!?死ぬ気で作るしかないわねっふふふふふふふふふふっっ」
 壊れた?大丈夫かな?
「たしかフリルが沢山ついた茂の可愛さを引き立たせるデザインでしたね。」
 麗斗君衣装デザインに関わってるの!あ、美しさにこだわる麗斗君ならそうするよね。っていうかさっき!
「僕のことはいいよっほかのメイドさんが可愛く見えればいいんじゃないかな。」
 そういったら麗斗君と本田さんが睨んできた!


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