(ふじしゅーすけ) 「春だね」 「春ですね」 雪が嫌いだと言った僕に私は好きなんだけどと言った、12月はもうとうに過ぎて今は春だ。 ここで脈絡のないことを一つ言わせてもらうと、僕は彼女が大好きなんだ。 「花粉が嫌だな」 「何で?」 「僕が花粉症だから」 そう言うと彼女は眉を下げて「でも花粉がなかったら種ができないわ」と彼女は呟いた。 「早く夏がこないかな」 「春も良いのに。ほら、桜がぴんく色」 僕の嫌いがどんどん好きになっていく。 彼女の色になっていく。 (彼女は僕の嫌いに染まらない) . [*前へ][次へ#] [戻る] |