(ひばりきょーや) (だから優しくできないよって言ったんだ) 開け放たれた扉と転がるカップケーキ。 小麦粉と卵と牛乳及び砂糖の固まりはやっぱり僕には苦い。 甘いのは嫌いだと僕がケーキを投げ捨てたときの彼女の表情はもっと苦い。 僕は自分を曲げられない。 それでも彼女が側に居られると言うから側に置いたのに、いつの間にか期待していたらしい。 (彼女ならずっと、なんてね) 小さく口角をあげるとケーキを頬張っていた鳥が不思議そうに顔をあげた。 愛し方とかじゃない、全部わからない。 そんな僕でも好きだと言ったくせにね。 [*前へ][次へ#] [戻る] |