「おい」 手招きされて、縁側に行けば二つ上の従兄弟はまだ法律違反の煙草を一本。 「捕まればいいのに」 「阿呆か!仕事できひんやろ!」 関西訛りの強い言葉はあまりにも似合わない。 「こい!膝にのせてやる」 ポンポン、と胡座をした足の間を叩く従兄弟に怪訝な目で見てやれば、困ったように笑われた。 「いやなん?」 「あんたにケツ触られるなら死んだがマシ」 「まぁまぁそういわずに」 人懐こく笑う顔は私より幼く見えてしまう。 大人しく腰を下ろしてやれば、真剣味のある声で名前を呟かれる。 煙草の匂いにクラクラしてしまいそう 「なに」 チュッと、振り向くと同時にリップ音。 あぁ、キスされたのか、なんて 「苦い」 「そっち?」 煙草の不快な味に眩暈がする。 「またしていい?」 「そんなん聞いても同じでしょうが」 縁側で、細やかな秘め事を 紫煙melancholyの失敗と懺悔 (還暦なっても独身やったら、結婚しよか) (さんせー) |