時と闇の継承者
13
「で、最後にアロフ」
「え?アフロ?」
「違います!アロフです、ア、ロ、フ!」
コハクの台詞に、思わず聞き返すと、すかさず本人から訂正が入った。
「あぁ、わかった。アフロくんか」
「だから、アロフですって!」
必死に訂正してくる『アホの子』アロフが面白く、俺はわざと間違えてやる。アフロもアロフもそう変わんないし。
「どっちでもいいから、先に進めていいかな?」
コハクがにっこり笑ってアロフのことを切り捨てた。
「そんなぁ」と嘆くアロフを放置するコハク。やっぱコハクはSだ。
「さて、さっきの支幻殿についての疑問の答えだけど、まずは精霊のことを説明するね」
「はい、質問!精霊とか関係あるの?」
「あるから先に説明するんだよ、トキヤ」
口を挟んだら笑顔のコハクに諭すように言われた。
「この世界には魔法があって、魔法の源は精霊なんだ。僕は魔法使いだから、魔法を使う時には精霊から力を貸してもらってる」
「魔法使いとかいるんだ、スゲー」
ホントに漫画や小説の世界だ。
「で、当然だけど、精霊自身は普通に魔法が使えるんだよね」
「力の塊みたいなものだからな」
リュートさんが補足するみたいに付け加える。
「それぞれ司る力によって種族が分けられていて、大きく分けると火、水、風、土、光、そして闇」
『闇』のところでコハクは視線を真っ直ぐ俺に向けた。とても真剣な顔で。
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