時と闇の継承者
12
「なんだ、残念」
俺に拒否された『イタイ奴』ことリュートさんは唇を尖らせて不満をアピールしてくる。
「いやいや、普通呼ばないだろ。王様じゃないんだし」
なんか俺が悪いみたいになってるのはなんでだ!?
「んー。でも王様は当たらずも遠からずだよ、トキヤ」
「え?……えっ!?王様なの!?」
俺とリュートさんのやり取りにコハクが割って入ってくる。それも爆弾を持って。
「正確には違うが、近いな」
リュートさんが肯定した!じゃあ、やっぱ様付けで呼ばなきゃダメなのか!?
「え?え?どゆこと!?」
「まあ、その辺はおいおい説明するとして、まずは自己紹介終わらそうか」
混乱している俺を放置してコハクは先を促した。
俺は自分の中のメモ帳に、コハクはSだと書き加えた。
リュートさんも異論がないのか、なにも言わない。
「というわけで、クロ。出番だよ」
そういえば、ちょこちょこ出てきてたペットにつけそうな名前。薄々気付いてたけど、コハクの視線が俺の隣に向けられたことに確信に変わる。
「あぁ、名乗るのが遅くなって悪かった」
隣を見ると、優しい笑みを浮かべながら俺を見る美形と目が合った。
「クロ、と呼んでくれ。よろしくな、時夜様」
「あ、うん。よろしくお願いします」
美形の笑顔に見惚れていた俺は、いろいろとツッコミどころがある挨拶に普通に返していた。
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