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時と闇の継承者
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―Side コハク―

「心配しなくても今だけだ」

そう言って笑う支幻(シゲン)殿に、首を傾げているトキヤの姿を見て、僕は苦笑した。

「その言い方だと、余計不安になりますよ」

僕の言葉にトキヤが大きく頷いた。

本当に、素直な子だ。
少し意地悪をしたくなるほどに純粋で。
だからこそ、この世界で生きるには危険すぎる。

何も知らせないために異世界に送られたトキヤ。

『いつか、その時がくれば、時夜はこの世界に来ます』

銀の王の言葉が脳裏に浮かぶ。

かの王の言葉通りだとするならば、今回はその時なのだろう。

ならば、僕のすべきことは、トキヤに自分の知っていることを教えることだ。

僕は未だクロと抱き合ったままのトキヤに笑顔を向けた。

「もうちょっと行けば、僕の家があるから、詳しいことはうちに着いたら説明するね」

そして、ついでのように付け足しておいてあげる。

「離れたくないのもわかるけど、そのままだと歩きにくいんじゃないかな?」

「っ!!!!!!!!!?」

予想はしていたけれど、あまりに瞬間的にクロから離れたトキヤに、僕は笑いをこらえるのが大変だった。



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あきゅろす。
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