時と闇の継承者
17
「っ……」
扉に向かうつもりだったのだが、ベッドから立ち上がった瞬間、クラリと体がふらついた。
「時夜っ」
ヒロマサが慌てて俺を支える。
「無理をするな。まだ顔色が悪い」
悔しいが、ヒロマサの言う通り、足に力が入らない。
仕方ないので、再びベッドの端に座る。
「もう少し寝てろ」
ヒロマサに不満顔を向けるが、怖い顔でベッドに押し倒された。
文句を言おうにも、目が反論を許していない。こうなったらヒロマサは一歩も引かないだろう。
「……わかった。もうちょっと寝かせてもらう」
しょうがなく頷くと、小さな子どもにするみたいに、ヒロマサが頭を優しく撫でた。
その手が心地よくて、俺はされるがまま瞳を閉じた。
このまま眠ってしまおうか。
ああ、でも。
「皆勤賞が……」
小さく呟いたそれに、ヒロマサが苦笑する気配がしたが、反応する前に眠気に襲われた俺は眠りに落ちたのだった。
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