[携帯モード] [URL送信]

時と闇の継承者
17
「っ……」

扉に向かうつもりだったのだが、ベッドから立ち上がった瞬間、クラリと体がふらついた。

「時夜っ」

ヒロマサが慌てて俺を支える。

「無理をするな。まだ顔色が悪い」

悔しいが、ヒロマサの言う通り、足に力が入らない。

仕方ないので、再びベッドの端に座る。

「もう少し寝てろ」

ヒロマサに不満顔を向けるが、怖い顔でベッドに押し倒された。

文句を言おうにも、目が反論を許していない。こうなったらヒロマサは一歩も引かないだろう。

「……わかった。もうちょっと寝かせてもらう」

しょうがなく頷くと、小さな子どもにするみたいに、ヒロマサが頭を優しく撫でた。

その手が心地よくて、俺はされるがまま瞳を閉じた。

このまま眠ってしまおうか。
ああ、でも。

「皆勤賞が……」

小さく呟いたそれに、ヒロマサが苦笑する気配がしたが、反応する前に眠気に襲われた俺は眠りに落ちたのだった。




.

[*前へ][次へ#]

17/33ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!