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時と闇の継承者
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ヒロマサがどいた事にホッとしながら体を起こす。

そしてふと気付く。

「なぁ。俺が気ぃ失ってからどれくらい?」

まさか、また一週間経ってるとか?
だとすると、じい様ばあ様が心配しているんじゃ……。

血の気を引かせる俺に、ヒロマサは考える素振りを見せた。

「30分ぐらいだな」

答えたのはヒロマサではなく、高村先輩だった。
存在を半分忘れかけていた先輩の声に、慌ててそちらへ顔を向ける。

「それはマジ情報デスか?」

今までの経験から多少警戒しつつ訊ねる。

「俺は正直者だぞ?心配なら後ろの奴に聞いてみればいい」

意地の悪い笑みを浮かべる先輩の言葉に、隣のヒロマサを見る。

俺の視線を受け、ヒロマサは困惑の表情を向けてくる。

なんでお前が困ってるんだ?

首を傾げると、ヒロマサは目を反らしやがりました。

「どういうことだ、コラ」

半眼でヒロマサに詰め寄る。

「いや、ほら。30分って本当みたいだなぁって」

指を指すヒロマサの視線の先を見ると、9時20分を告げる時計があった。

9時20分。ちょうど一限目の半分を終えたぐらいの時間だ。
確かに先輩の言った時間と合う。

「ん?9時20分?」

そこで俺は気付いた。急げば2限目に間に合うかもしれない、ということに。

「ヒロマサっ!俺は帰るぞっ」

「え?」

唐突な俺の言葉にヒロマサが困惑を浮かべる。

が、そんなことは知ったこっちゃないので無視だ。
さっさと白いベッドから降りると扉へ向かう。




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あきゅろす。
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