[携帯モード] [URL送信]

時と闇の継承者
12

―Side 隼―

高村家は、代々続く霊能力者(いわゆる陰陽師とか言うあれだな)の家系で、俺も物心つく頃には修行と称される事をやらされていた。
おかげで、幽霊と呼ばれている奴らに、常に関わっていることが当然という日常を送っているわけだ。

中学にあがる頃、見聞を広め、人生経験を積み、ついでに修行の成果を試して来い、と全寮制の天宮学園に入れられた。

やりたい事があるわけでもなかった俺に異論はなかった。
むしろ、監視されずに済む全寮制は大歓迎だった。保護者の目がないのは楽でいい。

というわけで、俺は自由気ままに学園生活を送っている。



そんな自由な生活も終わりがやってくるわけだが。

気付けば高校三年生。自由に過ごせるのもあと僅かとなった。
そんな時に出会ったのが、藤枝大将だ。
高校からの外部入学生の藤枝は、入学当初から浮いていた。

容姿にはあまり興味はないが、世間一般では良いほうに入るだろう顔と、剣道をやっている者ならば、藤枝が全国大会優勝者であることは周知しているはずだ。

俺も剣道を嗜む者として藤枝の存在は知っていた。と言っても噂程度だが。

大して興味があったわけではない。それが実際に逢って興味が湧いた。




.

[*前へ][次へ#]

12/33ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!