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時と闇の継承者
4


もう少しで別れ道というところで、ヒロマサに確認をとる。

「じゃあ放課後、ヒロマサのとこに行けばいいんだな」

するとヒロマサは首を振った。
放課後じゃないならいつ行けばいいんだ?
俺の疑問はすぐに解消された。

「いや。今すぐ来てほしいんだ」

「は?」

何を寝ぼけたことを言っているんだ、という目でヒロマサを見る。俺はこれから自分の学校へ行き、授業を受けなきゃならないのだ。

だが、ヒロマサは俺の手を握ると、強引に引っ張って行く。

ちょっと待て。なぜに朝っぱらから男と手を繋いで登校――それも他校に――せねばならんのか。

「ヒロマサっ。今からだと俺、完璧に遅刻するからっ」

「俺は気にしない」

「や、今はお前のことじゃなくて俺の話だからっ」

「1日休んだところで問題ないだろ」

「コラっ、俺の予定を勝手に創るなっ」

「ちょっと遅刻や欠席したぐらいで支障のある学校なんか辞めてしまえ」

「お前は何様だっ」

ヒロマサの暴走発言にツッコミを入れる。
まったく。受験戦争をかいくぐって入った学校になんてこと言いやがるんだ。

なのにヒロマサはため息をついた。

コラコラ。この場合ため息をつくのはこっちだろう?

「まあ、辞めろっていうのは半分冗談だけど」

「もう半分は本気ってことか?」

ヒロマサは深く頷いた。

「時夜がいないとつまらないんだ」

いい意味で捉えるか悪い意味で捉えるか悩むセリフだ。

小さく息を吐き呟く。

「言っただろ。俺はじい様とばあ様を放っておけないって」

「……あぁ」

わかってるとヒロマサは呟いた。





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