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時と闇の継承者
3
藤枝大将(フジエダヒロマサ)は俺の幼なじみで、じい様の剣道場の兄弟弟子でもある。

そして、俺が霊と話をしているのを見て、変だと宣った最初の奴でもある。

名前の通り、昔は近所のガキ大将だったヒロマサは、藤枝家の方針でじい様の道場に入門してからすっかり剣道の虜となり、中学の時には全国大会優勝などという輝かしい成績を修めるまでになった。

剣道を通じて、最初はぎこちなかったヒロマサは、いつしか俺の一番の理解者となっていたのだから、人生はどうなるかわからない。




朝食を終えた俺が道場に行くと、ヒロマサはじい様と歓談中だった。

「待たせたな」

道場の扉を開けると同時に上から目線で言ってやると、苦笑を返された。
予想外の大人な反応に、自分の態度が恥ずかしくなってくる。

「じゃ、じい様。行ってきます」

居たたまれなくなってきた俺は、さっさと道場に背を向けた。
この際、逃げるが勝ちだ。

「では師匠(せんせい)失礼します」

後ろではヒロマサがじい様に暇を告げている。ヒロマサのことだからきっちり頭を下げているのだろう。じい様の前では礼儀正しいから。

ほどなくして隣に並んだヒロマサを見上げる。ヒロマサは俺より10センチ以上背が高い。憎らしいことこの上ない。

「で、何の用?」

ヒロマサは前を向いたまま口を開いた。

「時夜に見てもらいたいんだ」

「お前、会話する気ある?もっと具体的に話せ」

脈絡なく話をされても困るぞ。対応のしようがない。

お互いの通学路は途中まで一緒なため、歩きながら話をする。

「とにかくウチの学校に来てほしい」

「……会話する気ないんだな」

何一つ具体的に話していないヒロマサに、俺はため息をついてそれ以上の追及を諦めた。





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あきゅろす。
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