精霊王たちの恋
支幻B
もとの生活に戻ったはずの日々は、どこか淋しさを感じた。
それというのも、忘れようとした彼のことが、忘れられずにいるからだ。
彼の囁く声が頭から離れない。
気が付けば彼のことばかり考えている。
自分の気持ちが分からなくて、誰かに聞いてもらいたくて相談した。
――それは恋ですよ。
ありえない答えに、笑い飛ばして否定しようとしたが、静かに諭されてしまった。
――貴方が自身を否定してはいけません。恋をしてはいけない、と定められてはいないでしょう?
言われて、初めて気が付いた。
誰かを愛してはいけないと、思い込んでいただけだと――。
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