精霊王たちの恋 闇の王子〜プロローグ〜 「この子には運命を定めるようなことはしたくありません。自由に生きて欲しい……」 腕に抱いた小さな生命を愛しそうに見つめながら、銀の王は言った。 「ですから、この子の選択肢を広げるために、この子を異世界へ送ります」 そこまで言うと、銀の王は俺を見た。 いつもの柔和な笑みはなく、真剣な銀色の瞳が俺を映す。 「この子、時夜(トキヤ)をお願いします」 敬愛する俺たちの王の大切な方の言葉に、俺は力強く頷き、了承の意を伝えた。 「この命に代えても、お守り致します」 そして、俺は時夜様と共に異世界へ、俺の故郷でもある地球へと向かうのだった。 . [次へ#] [戻る] |