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燃え上がる1分前の呼吸












正月なんて関係ない。



発情するのがいつかなんて、誰にも分からないだろ?










何だか、セックスする気分になって舌を絡ませあいながら、縺れあいつつバスルームに転がり込んだ。



もうお互いに体を洗って、ベッドで事を始めようなんて気持ちにはなれなかった。



抱き合った体をボディーソープでぬるぬるになった手でまさぐる。



最初から感じる場所ばかりを攻める。



行く末が目前に迫るまで。



声を出す暇さえ惜しくて、ひたすら愛撫に身をまかせる。



だんだん荒くなりそうになる呼吸に気づいたのか、ビリーの口元に笑みが浮かんだ。



顔を見られたくなくて、彼の肩に白い顎をのせる。



心拍を落ち着けようと脱力している間に、タイプに適した細い指が受け入れるべき入り口をなぞる。



襞を拡げるようにもどかしく動く。



グラハムはその指を捕まえると、無理矢理自分の中に捩じ込んだ。



ビリーはそれを面白がって微動だにしない。



我慢弱いな、と胸の中で呟いてそれを自分で動かす。



自慰とは違う快感にビリーの骨ばった鎖骨に噛みついて堪える。



頭上から呻きが聞こえるが、構っていられない。



それに、根性の悪いことをするから自業自得だと思った。



しかし意外に他人の指を使ってマスターベーションをするのは難しく、試行錯誤した。



ビリーは自分の手で乱れていく恋人を見ても、以前のように無闇に挿入する気がしない。



右手の人差し指を包む柔らかい粘膜の小刻みな収縮に、自身を包まれたいという欲求があるにはある。



それは愛が冷めたからそういう心情になったのではなく、それよりもむしろ深まったからそうなったのだ。



愛し、愛されていることが当たり前過ぎて余裕が生まれた。



繋ぎ止めなくとも離れないと知った。



二人を分かつのは「死」のみ…。



だからじっくり愛せる。



じっくり痴態に見とれることができる。



いとおしむようにグラハムの震える瞼を見つめた。



血が透けている。



食むようにグラハムの熟れた唇に歯をたてた。



くぐもった喘ぎ。



はりつめたグラハムの性器は、腹についている。



人差し指と親指で緩めの和を作ってやって、優しく優しくこいてやる。



愛液が指を伝う。



セックス独特の匂いを鼻の粘膜で感じる。



まだ少年のような顔は、快感を手繰り寄せる大人の顔にすりかわる。



ビリーの指はもうグラハムの中に入っているだけ。



前もゆっくりとしか扱わない。



それでも静かに快感に浸っていた。



ビリーの中心も掌に包まれる。



物欲しげにそれを撫でるグラハムに苦笑して、2本目の指の挿入に取りかかった。











「Happy new year」


何て言わない。



2人だけの
いつも通りの1日。

















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