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存在の証明
37色



リアは自分でも方向音痴な事を十分自覚しているが、僅かな記憶を頼りにシャルの部屋に辿り着く事が出来た。廊下の窓から外を見ると、ちょうど朝日が昇っている所。


朝日を見るのなんて本当に久しぶりだった。家業の関係上、昼間は寝て、闇夜で生きてきた。仕事が長引けば家に戻ることも出来ない日々。
でも、それを苦にしてこなかったのはきっと、ゾルディックの一員として認めてもらうために躍起になって頑張っていたからかもしれない。



ゾルディックという囲いから抜け出したことに後ろめたい気持ちもあったが、それより大きかったのは"自由"への好奇心。



早くレインを助けて、早くゾルディックに戻らなきゃ。




リアは決意を新たにした。


トントン



『シャル―ッ!・・・いる?入っちゃうよ!!!』



カチャ




シャルはパソコンを置いた机に突っ伏して寝ていた。リアはシャルを起こさないようにそっと近づいた。パソコンは付けっぱなしで、静かな機械音が響く。


そこに映し出されていたのは男の人の写真。何枚かある顔写真の中には、見覚えのある人物。あいつだ…私を捕まえようとしていた。







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