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朝焼けをきみと食べる


「は?!何お前、初めてなのか!?」

そう言って驚いた日番谷を、今こんなにも殴りたいと思ったあたしは、多分…絶対悪く無い筈だ。





泣き落としから始まった日番谷とのお付き合いののち、結構な時間をかけて初ちゅーをした。
そこからまた随分と経ってから、漸く最後まで手を出して頂くに至ったわけなんだけど、なのだけど。
よもや貫かれての第一声がさっきのアレってどうかと思うのよ。
…うん。あたし、ワルクない。
「なっ…あったり前でしょ!てゆーか、いたいいたい日番谷あっ!!」
「あっと、ワリ」
悪いと謝りながらも抜かない辺り、結構意地悪だよね。うん、知ってた!
「あ、血ィ出てる」
「当たり前だ、ばかー!!」
見るな!
てゆーか、そんなとこ凝視すんな!
ああもう羞恥心で死ねるわこれ。
ううう…と呻くあたしを呆気にとられた面差しで見下ろして。
「…や、うん。ワリ」
いったい何に対してか、謎の詫びを口にした日番谷は、濡れたあたしの眦にくちびるを落として笑ったのだった。






*
*

付き合ってから初めて迎えた冬休み。
日番谷の誕生日に、首元にリボンを巻き付けて、「貰ってください」とばかりに差し出した身体。
…うん、後悔はしてないわよ〜。
だってこうでもしなけりゃ手も出して貰えそうにないなって、付き合って十二分に身に沁みていましたから。ええ。
かなり動揺しつつもそろりと伸ばされた日番谷の手が、ぎこちなくもあたしに触れたその幸せを打ち砕くには充分過ぎたひと言だったと思うのよ。うん。
まあ、このナリですし?
一応過去に彼氏もいましたし。
そーゆー女と見られていても不思議はないけど、だけれども。
その驚き方は如何なものかと思うのよ。
すみませんねえ、見た目に反して初めてなんです。
ちゅーは経験あったけれども、それ以上とかあり得ないから。
(だってあたしまだ十七よ!)
中学生で大人の階段登っちゃうとか、無理無理無理ーっ!!
そーゆーのはもっと大人になってから!ってことで全てお断りしていたら、大概あっさり振られていたと云う、お粗末な女ですけど何か?
まあ、いーけどね。
日番谷以外のどの男も、今考えれば別にそんなに「好きー!」ってわけでもなかったし?
どいつもこいつも告白されて、ただ何となーく付き合っただけの彼氏だったし。
だけど日番谷は違ったから。
他の男子と違ってガツガツしてない。
どちらかと云えばあたしの方が、触れて欲しくて焦れていたクチ。
…うん。つまりそのぐらいには大好きで。
だからいいかな?
てゆーか、したいし。触れて欲しいし。
そう思っての捨て身のアタック。
念願叶って喜んでたのにこれだし。
初めてなのか!?…って、驚かれてるしー!
わーもういじけてやるー!!ってカンジなのだけど、肝心の日番谷は笑うばかり。
ごめんなって言う傍からくつくつと笑うし、こんなに痛がってるのにやめてくれないし。
異物感すごいし。
痛いし。
泣きたいしっ!
記念すべき初めてがコレ・ってだいぶ切ない。情けない。
もうほんと、やだ…。
大っ嫌い!って思ったはずが、
「ワリ。でもすっげえ嬉しい」
ごめんな、って。
やさしい声と眼差しとに、ついついキュンとときめいてしまう。
あっさり絆されてしまうのだから。
(ほんっとーに、バカだあたし)
「っじゃあ、日番谷からちゅーして」
「ん。なら、こっち向け」
こんなくちづけひとつで許しちゃう辺り、つくづくオロカな女だなって思うのだ。






end.

そんなこんなで今年は、ぐるもだ高校生ふたりのその後でお祝いしてみた次第w
今年も日番谷、お誕生日おめー!\(^o^)/


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