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13.(※終幕)


「蓮!アンタって子は、また…勝手に保育園抜け出して来ちゃあダメでしょーが!!」

マスター、ごめん、と。
口にしかけて固まる怒声。
呆けたように、目も口もみんなまんまるにして、蓮を膝へと抱き上げた俺の顔を穴が空くほど凝視して。



「…嘘おっ!!」



叫んだ瞬間、その間抜け面に口元がゆるむ。
爆発したように急速に、堪えきれない『笑い』が喉元を迫り上がってゆくのを感じる。
「…っな、なんで!?なんっでアンタ達が…!?て、ゆーか…――うええええええっ?!」
半べそ混じりに半混乱に陥っている松本へと向けて、満面の笑みで蓮が手を振る。声を張り上げる。

「ママー!パパが蓮とママのことおむかえにきてくれたってー!」

蓮の叫んだそのひと言に、松本の青い瞳が大きく揺らいで俺へと向けられ、…交わる視線。
ゆっくりと歩み寄る互いの距離。


「何コレ、何でアンタ達そんな仲良くなっちゃってるのよ」
「そりゃあ、…やっぱ親子だからじゃねえの?」
「何ソレ、だいたい『お迎えに来た』って何よ。何なのよ」
「あー?そのまんまの意味に決まってんだろ」
「意味わかんない。だいたいアンタ、昨日のあの子…彼女じゃないの?」
「違げえ。ありゃあ飯に付き合っただけだ」
「腕、組んでたように見えましたけど?」
「つか、まさかと思うがそれが原因か?お前のその腫れた目は」
「っぎゃあああ!!み、見なくていいから!」


蓮を腕に抱いたまま、顔突き合わせて交わす軽口の応酬。
それでも蓮は笑っている。
俺の腕へと抱き上げられたまま、俺と、慌てたように手のひらで顔を覆った松本とを。
交互に見ては、笑っている。
そうして不意に口にした。
「ママも、パパに会えてうれしい?」
にこにこと笑う蓮の無邪気な問い掛けに、暫し言葉を失っていた松本は。
それでも窺うように俺へと一瞬視線を走らせたかと思うと、真っ赤な顔で漸く観念したように、コクリと小さく頷いた。
それに応えるようにまた蓮がわらう。
俺へと向けて。
松本へと向けて。
花開くように。
綻ぶように。
そんな蓮の笑顔に釣られるように、視線を交じらせ頬を緩めた俺達二人の手のひらも、やがてはゆっくり互いを捕え、およそ6年の歳月を経て…再び指先を絡め合った。




end.


と云うわけで、管理人の『日乱妄想劇場』もこれにて終幕でございます。今回は隊長への愛多めに、娘と嫁から愛されまくりの大人たいちょを目指して頑張ってみた次第です(笑)
そしてご存知の方が殆どかとは思いますが、上記カットがこのネタの発端である、管理人が萌えに萌えたEJINさんちの『大人隊長&娘ちゃん』のイラストです^^ かーわいいですよね、蓮ちゃん!かあっこいいですよね、たいちょ!!///
イラストはもちろんですが、当時一緒にブログにアプされていたEJINさんの考えた蓮ちゃんとたいちょの設定に激しく萌えて、極力忠実になるよう今回は設定練ってみた次第です(笑)
例)@大人隊長の外見→ちょっとカジュアル目で若い感じの大学生風(※ゆえに高1で子供が出来てますw;)A蓮ちゃんの外見→パッと見は松本に似てるけど、何気に実は隊長似(※髪と目の色もEJINさん設定です)Bラブラブ親子(※これ最重要!笑)
そういえばEJINさんが仰ってたのですが、『オルゴール』の蓮も父親が知らない間に産まれていたとのことで、おお…!;となりました。←すみません、管理人映画自体は観てないです(笑)あと、蓮の花が実際夏頃咲くとかで、これもすげえ驚きました(w;
そんな感じでEJINさん、素敵な萌え提供をいつも本当にありがとうございます!!拙宅への作品アプの許可だけでなく、今回はイラストの転載許可まで頂きまして…本当にお礼を言っても言い足りないぐらいです!><
ではではここまで長々とお付き合い下さいました皆様も、本当に本当にありがとうございましたー!


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あきゅろす。
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