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6割よこしま(日番谷サイド)1


「日番谷はさ、あたしのこと…キライ?」
「……は?」
「てゆーか、あんまり興味ない?一緒に居ても面白くない?」
「っはああああ!?」


何を言ってんだと絶句したのは、近くのコンビニでアイスを買って、ふたり公園のベンチに腰掛け、だらだらと暇を潰していた最中のことだった。
突然のことに呆けている間に、手にしていたジャイアントコーンが少しだけ溶けた。
「あ。日番谷垂れちゃう!」
慌てたように言った松本は、何を考えているのか、バニラアイスの垂れた俺の手を取るや否やその舌で、垂れたアイスをぺろりと舐め上げたのだった。
「っ!!」
生あたたかい、赤い舌。
俺の手首を掴む白い指。
ギョッと慄いたのは言うまでもない。
「服に落ちなくてよかったね、日番谷!」
にっこり笑っちゃいるが、…ちょっと待て。
そこはせめてハンカチ、ティッシュ辺りで拭うところじゃねえのか?
いきなりひとの手舐めるってどうなんだ?
しかもまるで悪びれない。
わざとであるとは思えないからタチが悪い。
(なんっっでこんな緩いんだよ、こいつ!)
信じらんねえ。
なんなんだ、こいつ。
ひとの手舐めたその癖、しれっと涼しい顔で自分のアイスにぱくつく。
ん、おーいしーじゃねえよ、あほ!
ガリガリ君をこんなエロい顔で食う女、恐らく俺は初めて見たぞ!
唖然と見やる先松本が、どうかした?とばかりに小首を傾げる。
「あ、もしかしてガリガリ君食べたかったりする?」
…いや、そうじゃねえ。
だがまさか、お前のアイスの食い方があんまりエロかったからつい見入っちまったとも言い出せず、
「あい、どうぞ。ひと口」
食いさしのガリガリ君を差し出されたので、食わざるを得なくなった。
しゃくりと歯を立てひと口齧ったガリガリ君は、ひんやりソーダの味がした。








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