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15.



「あたし、基本こういう性格だけど、だからって素気無くされるよりは優しくされたいし、好きだって言葉で態度で示して欲しいし、何より他の女の身代わりにされるのなんて、ぜーっったいに無理だからっ。そこまで軽くも自分を安売りだってしないんだからね!」
「わーってる。まあ、一部誤解も混じっちゃいるが、今回ばかりは全面的に俺が悪い。――すまなかった」

殊勝にも頭を下げて詫びる日番谷は、だから別れるなんて言うなとあたしに縋るから。
――っもお!しょうがないなあ!
結局のところ諾々に絆されてしまったのは言うまでもなく。
「好きよ、日番谷」
告げて、あたしからそっと押し当てたくちびる。
ホッと安堵したように、「ん」と小さく吐息して。
すぐにも強く掻き抱かれて、更に深く…塞がれるくちびる。
絡め取られてしまった舌。
そのままもう一度ベッドの上へと組み敷かれて――って、それはいいんだけど。
「ちょっとお、それだけ?他に言うことないわけ、あんた」
そこはほら、空気を読んで。
「俺も。好きだ松本」とかって返すところじゃないの?
何なら「愛してる」ぐらいのこと言ってくれてもいいんだからねと暗に誘導しようとするも、
「――今日の分はもう、充分言った」
続きはまた明日言ってやる、って。
(なんだ、それー!!)
舌の根も乾かぬ内に何言ってんのって思わなかったこともないのだけれど。
「…うっせ。照れんだよ、バカ」
苦々しげに舌打つ日番谷の顔が耳まで真っ赤だったから。
本気で照れているのがわかったから。
(かっ…、かーわい!!)
こんなレアな表情が見れたんだもの。
今日はいっぱい嬉しい本音が聞けたんだもの。
別れない!って言ってくれた日番谷に免じて、今日のところは許してあげることにした。


――だから、明日はちゃあんと好きって言ってね?
  手を繋いでね?
  変わらずあたしを好きでいてね。


閉じた瞼のその向こう、赤い顔した日番谷の代わりに、大好きよってまた紡ぐ。
空気で伝わる、ちょっとした苦笑。
それからまた「ん」て吐息混じりに、応えるように日番谷が、やさしくキスを落としてくれた。







end.


そんなこんなでいつものオチに到着したぞ、と!/(^o^)\
さんざ引っ張ってこのオチかーい!と云う声が、あちらこちらから聞こえてきそうですが気にしないw
ぐるもだすれ違ってるバカップルに、素直になれない口下手日番谷に斜め上に暴走している松本と、とにかく好きなもん全部詰め込んでみた次第です。
ほんともっとスマートに松本を口説く日番谷とか一度ぐらい書いてみろって感じですね(^q^)ぜ っ っ た い 無 理 !!www
ではでは長々お付き合いありがとうございました〜!その内黒崎さんと井上さんカップルとダブルデートとかに行くんじゃないかなと予想して終わります。



お題:エナメル

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