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たった1人に嫌われて星を眺めてみたくなる 1

※雑い大学生パラレルに付き、苦手な方はご注意ください。



ぶっちょ面。
笑い掛けてくれることだってあんまりない。
べたべたされるのもキライみたいで、絡み付いた腕はいつだって、さり気なくだけどそっと外されてしまう。
溜息。
眉間に刻み込まれた深い皺。
甘い言葉ひとつ囁かれたこともない。
そう云えば、好きだと言われたこともない。
(これで付き合ってるって言えんのかしら?)


まあ、言い張りますけどね。
意地でも「はーい、あたし彼女でーす!」って、カノジョヅラしてやりますけどね!
だけどそれも昨日までのこと。
…うん。さすがにぽっきり折れた。折れちゃいましたよ心折れました。さすがに、ね。
だってこのひと、ああ云う顔も出来るんだ。
てゆーか、しちゃうんだ。
見せちゃいますか、それも寄りにも寄ってあたしの前で。
他の女に恋落ちた、そんな瞬間を目の当たりにした。
…うん。さすがにそれはない。
割と神経図太い系のあたしだけど、幾ら何でもそこまでされたら自信も失くす。
強気で押せ押せドンドンな、あたしの心も挫けるってーもんよ。
しかもその顔に、見惚れてしまった。ときめいてしまった。…不覚にも。
そんな自分がとことん悔しい。腹立たしい。
(この期に及んでバッカじゃないの?)
どんだけあたし、あの子にべた惚れだったのよう!
あーもう、やんなっちゃう。
はいはい、そうでした。
そんなあなたが好きなんでした。
すーっかり忘れてたけど。
このひとってばそもそもあたしみたいな女って、端から眼中なかったのよね。
ぜんっぜん興味ナシ。
見向きもしない。
ただのセンパイ・コーハイでしかなかったのよねえ。
だけどそんなところが生意気で可愛い、あたしをやらしい目で見ない。
そんなところに好感を持った。
先に興味を抱いたのってばあたしだった…。
相手にされないのを承知の上で付き纏った。
バカみたいに構い倒したんだった。
なんだこの女って顔して、嫌そうにして。
だけど決定的に突き放すでなく、嫌うでなく。
なんだかんだで懐くあたしの面倒を見てくれた、ふたつ年下の可愛いコーハイ。
それが気付けば恋落ちていたと云うわけだった。
…うん、主にあたしがね!
だってあのひと、いたし。他に好きな子。
その頃大事にしていた子がいたし。
ま、しょせんは片想いだったみたいだけど?
なんたって、ちゃーんとラブラブの彼氏もいたしね。
ついでに言うならその子はあたしとも仲が良かった。
付き合っている彼氏のことも、よーく知っていた。
だからあのひとが報われないこと、ちゃんと知ってて好きよって伝えたのだ。
うん。それまでだって好き好きオーラも全開に、構い倒していたからね!
さすがにあっちも何となくだけどわかってたっぽい?
困ってたし。
告った後に、マジかよ…って呟いてたし。
タイプじゃねえとも言われましたし。
(わー、酷い)










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