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4.


「あの、おーさま。別に無理にしなくてもいいんですよう?」
「は?別に無理なんてしてねえし」

間もなくこの冬十六になるおーさまは、何やらこの頃思春期の模様。
寝台の上、だらしなくも胡坐を掻いて、じっとあたしをねめつけてくるので、何ともまあ…居心地が悪い。
ええ、何しろ今あたしの寝間着は、すけっすけもいいとこなので。
やや、何もいつもこんなカッコじゃないんですよ?
こんなえっろい寝間着なんぞで寝ません。
てゆーか、こんなカッコじゃさすがに風邪引くわよ。
なのに今夜に限ってお風呂でピカピカに磨き上げられて、挙句全身香油を擦り込まれ、薄い化粧まで施されてしまった。
そうして放り込まれた寝所の中には、ちょっと緊張した面持ちのおーさまがいて、ようやっとのこと悟るに至った。
(あ、これってば初夜だ)
十五…もうじき十六になるおーさまは、まだまだあたしよか頭半分ほど背が低いけれど、すっかりオトコノコの顔付きになっていた。
(もうコドモじゃないのよねえ)
変わらずぎゅうってしちゃってたけど。
ひとつお布団でくっついて、高いびきぐうぐう掻いて寝てたけど。
もしかして、違ったのかな?おーさまは。
もしかして、もやもや悶々とかさせちゃってましたかね、あたし?
だってごくって唾を飲み込んだ喉仏。
目は釘付けだし。あたしの胸元に。
てゆーか、そんな食い入るようにこっち見ないで下さいってば。恥ずかしいなあ。
ただでさえ無駄におっぱいおっきいんだから、胸元目立つし寝間着の裾が持ち上がって足も出てるしで、隠しようがないと云う…。
おおう、何と云う羞恥プレイ。
なのに、「こっち来い」って。
いやいや!今そこに行ったら頭からぱくって食べられちゃうのってば確実でしょ?…なんて思いつつ、このままではさすがに風邪を引きそうなので、仕方ない。
おずおずとばかりに寝台へと乗り上げる。
だけどちょっぴり距離は置いたまま。
いつもみたいに「さむーい!おーさま、ぬっくぬくー!」なんて、抱き着くことなど出来ませぬ。ええ。
尤もすぐに腕を取られて、その腕の中にぽすんと抱き寄せられてしまったのだけど。
「っおーさま!」
「うっせ。耳元で喚くな、バカ!」
わあ、こんな時まで口悪いなあ。
てゆか、バカ…って。
なのにぎゅうぎゅう抱き締めてくるとか、わけわっかんない。
てゆか、いたいいたい!
ちょ、おーさま興奮し過ぎ!
鼻息荒くてちょっと恐いです、これ!









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