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4.


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「とにかく!ノリとその場の勢いだけで男と付き合うようなマネはやめとけ。そんで、ちゃんと『男』見る目養えよ、お前、マジで」
お前に近づく男なんざどれもロクでもねえ狼みてえな下心丸出しの大馬鹿野郎ばっかりだと、くどくど苦言を呈しながらも手は休めることなく、くるくると白い包帯で松本の腕を覆っていく。
だが、どれだけ罵ろうが松本は何も答えない。無言でされるがままになっている。
ただ、真白い包帯に覆われていく自分の腕を、焦点の定まらない目でぼんやりと眺めているだけだった。
だがこれもいつものことだ。
怒られたことに一応の反省はする。けれど、頭には残らない。だから、改めることが出来ない。…堂々巡り。
つっても、俺だって端からコイツに『理解』なんざ期待しちゃいなかったから、さして気にすることもない。
「手はもういい。次、足出せよ」
まずはこの女の傷の手当が先決だった俺は、剥き出しの松本の白く長い素足に触れた。
相当派手に転んだのか、膝の傷は思った以上に酷く、皮が剥がれて僅かに赤い肉が覗いていた。
(酷でえことしやがる)
せっかく綺麗な肌なのに…これじゃ台無しじゃねえか。
まったく…どうしてテメエより弱い女相手にこんなマネが出来るんだか。
思わずチッと舌打ちが漏れる。
(嫌がる女相手に力ずくで奪うだ襲うだ、俺には到底理解できねえな)
そんなことを思いながら、つと伸ばした指先。
白い脚に、そっと触れた…その時だった。


「…松本?」


きゅうと抱き締められていた。
その、痛々しい腕に。豊満な白い胸元に。






「だって…しょうがないじゃない。下心もなくあたしに近づく『男』なんて、冬獅郎以外いないんだもん」


近づくくちびる。
拗ねたように尖らせた口元からは、苺みてえな甘い匂いがした。
「こんな風に肌に触れて…それでも押し倒さない『男』なんて、アンタ以外に知らないんだもん」
整えられた綺麗な眉を八の字にして、今にも泣き出しそうに松本は言う。
(…なんだよ、それ)
「あのなあ…。あったりまえだろ、俺はまだまだ『餓鬼』なんだから」
当たり前だろ、俺がお前のこと押し倒したりするわけねえだろ、餓鬼なんだから。大体お前、俺より何センチ背え高いと思ってんだ?俺なんかに押し倒せるかよ、お前みたいでけえ女。
「するわけ、ねえだろ。俺が、そんなマネ…」
例え俺がお前のこと、まかり間違って『押し倒してえ』と思ったところで、出来るわけねえだろ馬鹿野郎。
(バッカみてえ)
うっかり出来もしねえことを頭に思い描いてしまった自分に嫌気がさす。
そうだ。
別に俺は、コイツにそんなことがしたいわけじゃねえ。
だが。
それでも俺が『男』であることに変わりはない。
だから絡みつく腕を解き、手当てを続けようとした。…ところで、顎を捕られてくちづけられた。
ぷくりとしたさくらんぼみてえなくちびるが、むぎゅと押し付けられて…離れていく。
ほんの刹那の接触。
ぬるりとしたグロスの感触が気持ち悪い。
松本と交わす何度目かのくちづけは、自分の唇がやけに苺臭くなったと感じただけだった。







松本がどうしようもない女の子設定でほんとすみません。でも実際居ると思うんですよ、こう云う子って。てゆーか実際私の周りには居たわけですが…。考え方の相違なのかな?通じないんですね、こっちの言葉が。せつねえなあって思っていっつも見てたけど。それが自分より10も年下の女の子達だからね。尚のこと歯痒かったな、本当に…。つっても、松本さんの設定はフィクションですから;;決して実在する特定人物のお話ではございませんので、その点は誤解なきようお願いします;;


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