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3.


誰、コレ?
何、コレ?
どーゆーこと??

すんごい美人のおねいさん。
やっぱり神様みたく着物を着ていて。
なのに、金髪で。碧眼で。
大きく開いた胸元に、神様のことを抱き締めていたから、そりゃあもう驚いた。
だけどもっと驚いたのは、美女の巨乳に顔面がっつり埋もれてる癖に、神様が全然動じてなかったことだ。
(えーっ!?)
なにこの子、すげえ!!
「…苦しいぞ、松本」
「っはーい!しっつれーしましたあ」
神様に窘められたところでその美女は、まるで悪びれた素振りはない。
にこにこと笑って緩められた腕。
そんな美女の腕の中、神様は、やれやれと言わんばかりに肩を竦めてあたしの方を仰ぎ見る。
「うるさくしてすまなかったな」
「あ、いえ…」
それは別にいいんですけど。
ええ…っと、そちらはいったいどなた様で?
何やら、やたらめったら神様相手に、いちゃいちゃべたべたしておりますが。
現在進行形であなた様に抱き着いておられるようなのですが。
(え?まさかこの年で愛人がいるとか?)
(え?それでいてあたし、本妻?…えーっ!?)
やだ、何それ神様の世界も爛れてんの?
酒池肉林ですか。
ハーレムですか!?
などといかがわしい妄想したのが伝わったのか、そうでないのか。
キュと眉間に寄った深い皺。
あああ、子どものする顔じゃない。

「あー…、こいつは松本と言って、俺の世話を焼いてくれている、この森の主だ」
「どーも、松本乱菊でーす!」

よろしくね!って快活に言ったそのひとは、人懐っこい口振りに反して、じろじろと不躾にあたしを見つめて。
あたしにだけに聞こえるように、そっと耳打ちしたのだった。
「あたし、このひとの育ての親みたいなもんだから、あんたがこのひとに相応しいかどうか、納得いくまであたしがこの目で見極めて扱いてあげるわね!」
ダメだったら出直してちょうだい…って、ちょ!
何言ってんのよ、このひと!?
――前言撤回。
どうやら愛人なんぞではなく、小姑…いやむしろ全然子離れ出来てない、クッソめんどくさい姑だった模様。











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あきゅろす。
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