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8.


「え?でも、なんで?あたしが初めてって言ったから?」
「おー。つーか、ぶっちゃけ俺もだし」

とてもすんなり事が運ぶとは思えねえ、と。
苦々しくも口にした、拗ねた横顔にこみ上げる苦笑。
「え〜じゃあじゃああたし、初めてじゃなかった方が良かったですか?冬獅郎くん的には」
「んなこたねえ。つーか、むしろありがてえ」
俺のだし、…と。
くちびるを尖らせる顔があんまり可愛くて大好きで。
愛おしくって、思わずほっぺにちゅうとくちづけていた。
いやいや、だからって別にキスを強請ったってわけじゃないのよ?
だけど正しくあたしの望むものを理解したらしいあの子は、ふと笑うとゆっくり顔を傾ける。
翡翠の瞳を閉じて、くちびるを乞う。
だからあたしも倣うように、目を閉じて。
今度はゆっくり…慈しむように、何度も何度もくちびるを重ねた。キスをした。
ほっこり心が温かくなって、知らず内に微笑んでいた。
極・至近距離、見つめあって。ふたりして。
「ね。もしかして、ちゅーも初めて?」
「…まあ、そうなるな」
おやおや、むか〜し致したあたしとのちゅーはお忘れですか?
なんてからかったところで、憶えてねえよt冷たく一蹴された。
…デスヨネー。
でも、そうか。
おっきくなってからのちゅーはないのか。
あたしとのこれが初めてなのかー。
「ん〜…、でもその割りに、やたらめったら上手くない?」
「はァ?!ンだ、それ。自分じゃわっかんねえよ」
てゆーか、お前はどんだけ経験豊富なんだ・って、そんなおっかない顔しないでよ。
生憎経験豊富ってほどにはお付き合いとかしてませんからと宥めれば、ほんとか?って顔してねめつけられる。
もう二度と他の男とキスなんかさせねえ!って、もう一度深くくちづけられて、零れる吐息。
息が…上がる。
「ッだって、中二の癖に舌使うとか、…なんかナマイキ」
「うっせ。俺だって必死なんだっつーの!」
だけど、ムッと膨れた子どもみたいな横顔に、否応にもこぼれる笑み。
どうにもこうにも、くすぐったいような気持ちになるから。
「あたしだって、じゅうぶん必死よ?」
真っ赤に染まった耳元に、そっと打ち明けるように囁いて。
「だからそんなに拗ねないでよう」
もっとちゅーして。
ぎゅってして。
今まで我慢してたぶん、だいすきっていっぱい言って。
甘えるように繰り返すあたしを、しょうがねえなあって。
ご機嫌を正した顔して、ちらりと見やって。
抱き締められた。腕の中。
耳を掠めた、好きだの言葉。
「俺のもんになったんだから、この先いくらだって聞かせてやる」
言うが早いか、もう一度。
やさしく塞がれたくちびるに、うっとりと溺れるようにあたしも目を閉じた。






end.


そんな感じでエイプリルフールに託けて、ひっさびさに義姉弟パラレルとかな!(^q^)
ごめん、ただのバカップル…。前書いたのは策士で腹黒い義弟日番谷だったので、今回は両片想いでぐるもだしてる青臭い中学生です。3DS、私も新しいのが欲しいです(違う)
多分この日番谷はエイプリルフールとか気付いてないよ!知らないと思ってたのにいきなり血が繋がってないとか松本が言い出すから、何だ知ってたのかとしか考えてませんw
松本、いろんな意味で読み誤っております!と云うふたりです。(エイプリルフールの意義とはいったい…)


お題:模倣坂心中

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