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9.


例えこれが七緒の話であろうと、やちると一角の話だろうと、はたまた他の誰のためのストーリーであろうとも。
況してやこのひとが、あたしに興味なんてなかろうと。
「大好き、たいちょ!」
伝えないでいることなんて出来ない。抱き締めたい。
あたしはこのひとの傍に居たいだけ。
(もう、それだけで充分じゃない)
だって仮にそれでフラレたって、きっと七緒が慰めてくれる。
所詮あたしはこのひとのことを、嫌いになんてなれないんだもの。

「わーったから、離せ松本。息が出来ねえ」
「やですー。ぎゅってしてたいんですー」
「これじゃいつまで経っても歩けねえだろ、ド阿呆!」

すぐ怒鳴るけど。
離せって言って腕の中で暴れちゃうけど。
それでも無理やりこの手を振り解くようなことはない。
しょうがねえな、って顔をして許容してくれる。
笑ってくれる。
お小言をくれる。
抱き締める腕を解いた後も、
「ん」
手え貸せ、って。
あたしにその手を差し伸べてくれる。
――だからやっぱり好きにならずにはいられない。





夜空に浮かぶ星の運河。
隊長みたいなピカピカの星に、この手を伸ばしても届かないのは変わらないけど、本物の隊長はこうしてあたしの傍らに居る。
手を、繋いで握り締めてくれているんだもの。
だからきっとまだまだ頑張れる。
たいちょがこの手を取って一緒に歩いてくれるなら。
どんな未来も、それこそ波乱万丈のお話だって、今のあたしには受け留められると思うのだ。








end.


そんな感じで摩訶不思議駄文の続きにて、十番隊主従サイドです。
八番隊は八番隊で思うところあるしやきもきすることいっぱいだけど、十番隊だってもやもやしてるよ!相変わらずだよ!みたいな?w
結局この日番谷が松本をどう思っているかは読んで下さった皆様にお任せですが、何があっても松本のことは嫌いになれない。大事想ってはいると思うので。ええ。
そんなふたりが、主従愛が、ばかっぷるが大好きだああああ!!と云う気持ちをめいっぱい篭めてみました。(ニコ!)


お題:エナメル様

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