[携帯モード] [URL送信]
10.


そう、結局はそれに尽きるのだ。
別れる…って云うか、厳密には付き合ってるかどうかもわからんアレなので、切れた方がいいんだろうなとは思うんだけど。
それは重々わかってるんだけど!
それ以上に後もうちょっと、まだもう少しだけ傍にいたい。
この腕に抱かれていたいと思ってしまったから。
(どうせ今他に気になる男がいるとか、彼氏欲しい!とかも思ってないし)
てゆーか、どっちかと云えば目下あたしが気になってる男って日番谷で、彼氏にするなら日番谷がいい!日番谷と付き合いたいなと思っているわけですし?
うん、実際この三ヶ月、既に付き合ってるものと思って勘違いしていたわけですし。
それゆえ、今こうして思いっきり打ちひしがれているわけですし!
(泣いてない、泣いてないよ、あたし!)
それにあたし、まだ二十六ですし。
結婚だって考えてないし。
だからまだもうちょっとぐらいなら、このまま日番谷の傍に居てもいいんじゃないの?と思ってしまったから。
例え日番谷に本命の相手がいるとわかっていても、どうせ報われる相手じゃないんだもの。他に彼氏がいる子を想ってるだけなんだもの。
日番谷がその手をあたしに差し伸べてくれるんだったら、何も今、無理して振り払うこともないんじゃないのと思ってしまったから。
だから結局知らんぷりをした。
あの夜の宅飲みのことは、あたしの中で無かったことにしてしまった。


――だって日番谷ってば、ぜーんぜん憶えてなかったんだもの。


翌日、お昼近くになって目を覚ましたはいいものの、
「あっ…たま、いってええええ!!」
どうやら想像を絶する二日酔いに見舞われたらしく。
結局その日日番谷は、夕方過ぎまであたしの部屋で、ベッドの住人になり果てていたのである。









[*前へ][次へ#]

11/83ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!