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9.


…しちゃったし。
流されちゃったし、結局。
しかも結局一度じゃ終わらなかったし。
飲んだ後の片付けすらも手付かずのまま、その後場所をベッドに移して再び身体を繋げた。
(うん、だってゴムもなかったしね!)
何しろ日番谷、寝室にゴムを取りに行く手間も惜しいとばかりに盛っていたし、あたしもあたしでそんな日番谷の勢いに流されていたし、それが嬉しくもあったから。
だから、挿れてもいいけど中では出すなとキツく命じて事に至った。
…まあ、それはしょうがないんだけど。
でもね、「最後が外で出すんじゃ、やった気しねえ」とか。
ほんの三ヶ月前まで童貞だったお前が言うな!と思ったあたしは、きっと悪くない…筈!
まだ眠り足りない朝の目覚めに、くわとこみ上げた大きな欠伸。
ぼうやりとした視界の向こうには、すよすよと眠る日番谷が居て。
なんと云うか…ほんと、どうしよう。
きっぱり切れるんじゃなかったのか、あたし。
全然切れてないし。
むしろ思いっきり流されてるし!
泊めた挙句にやっちゃってるし!!
(あー、頭痛あ)
何が一番マズイって、こうして日番谷の腕に抱かれて朝を迎えたことに、喜んじゃってるあたし自身だ。
隙だらけの寝顔に、無精ひげ。
半開きの口も可愛い。
ぴとってあたしにくっ付いて、すりすりって足絡めてくんのも可愛い。
あー好きだなあって思っちゃうんだから始末に負えない。
…ほんと、バカ。
だけど、ねえ。
なーんかもう、いいかなあ?って。
正直ちょっとだけ思ってもいる。
もし、日番谷の目が覚めて、酔いが醒めたその後も。
例えどんな形であれど、この子があたしを『必要』としてくれているんなら。
傍に居ることを望むなら。
無理に今、離れることもないかな?…なんて。
そんなことを寝惚けた頭で考えている。
(だってあたしが、好き、なんだもん)









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