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6.


あたしと一角の言い争いに、突如割り込んできた声がひとつ。
とっても聞きなれたその声に、一瞬ぎくりと背中が強張る。
まさかと思ってぐぎぎと後ろを振り向けば、…っぎゃ!居るし、日番谷がっ!!
それもなんかイラついてるしーーっ!!
いやいやそれも当然でしょうよ、なんせ自分の与り知らない二年の教室で、『一年のガキ』とか言われちゃってるし。あたしのせいで、無駄に扱き下ろされてちゃってるし!
(今の、あたしが言ったんじゃないんだからね!)
なのにそんなおっかない顔でこっち睨み付けないでよ。
ひええええっ!!
「…先輩、当番じゃなかったんスね」
「あああ…あの、その!違っ…!!」
こわっ…問い質してくる顔、恐ああああ!!
念押すようなその問い掛けに、けれどあたしに代わって答えていたのはよりにもよって一角で。
「はァ!?違わねえだろ、何言ってんだてめえはさっきから。つーかお前か、『日番谷』って。鬱陶しいからさっさとそいつ連れてけよ」
…って、ちょっとおおおお!!
「わ、ちょ…一角あんた!!」
ひとが必死で何とか誤魔化そうとしてるってのに!
アホじゃないの?バッカじゃないの?!
だけど日番谷に否やはないらしく、わかりましたとか言っちゃってるし!
挙句、見事態よく追い出されましたよ。教室を。
「いや、お前ら揃いも揃ってマジうるせえから」
「これじゃ客も素通りするわ」
「つか、迎え来たんなら松本どっか行ってこい」
言うが早いか、ぽいって…ぽいってされたよ!
それまで傍観決め込んでた当番のみんなに、ぽいって追い出されましたよ廊下にね!
それも日番谷と一緒にだ。わあ!
(うわ、もお!あいつら絶対あとでコロス!)
何とも居た堪れない空気の中、ちらりと横目に日番谷の顔色を窺うも、すぐにもギッとねめつけられて「ひっ!」と思わず息を呑む。
(こっ…こわああああ!!)
てゆか、そもそもなんっでここに居んのよ、この子。
しかも見る限り、ひとり?ひとり…よね?
元同級生だと言っていた、さっきのあの子は一緒じゃないの?
あたし、一応気ィ遣ったつもりだったんだけど。
それなのに、なんっっで一緒に居ないの、この子。
…あ、それともアレかな?トイレとか。
たまたまあの辺ふたりで通りかかって、彼女がちょっとトイレか何かに行ってる間、偶然日番谷がうちのクラスに立ち寄った…って、そーゆーことか!
てゆーか、そうよね。それ以外の何があるってのよ、アホだねあたし!自意識過剰もいいとこだね!








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