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9.


だから即答していた。
全力で以って頷いていた。
「…うん。なる。なりたいな、飲み屋の女将さん」
「マジで?いいの?」
「うん、いい。なる!」
なるよ。なっちゃうよ。なっちゃいますよ!
むしろあたしの方こそ、全力でお願いしたいぐらいだよ!
だって飲み放題でしょ。
卵焼きだって毎日作ってくれるんでしょう。
それで一緒にお店を切り盛りして、ずっとずーっと一緒に居てくれるんでしょう?
だったらなるよ、なりたいよ。
ならないなんて、言わないようっ!
(てゆーか、それってちょっと…)
――プロポーズ、みたい?
どうにもこうにもお花畑、夢見心地な今のあたしの頭じゃ、迂闊に口にしていい言葉かどうかもわからないけれど。
(多分、間違ってなんてないんだろうな)
そう思わせるには充分な、世にも貴重なとーしろーくんのにっこり笑顔があたしの瞼に映り込む。
「じゃあ、約束な?松本サン」
高校を卒業した後は、専門学校に通いながら夜は店を手伝うのだと云う冬獅郎くんに。
もっと料理の腕磨いて、早いとこオヤジに店を任せてもらえるだけの男になるから、その時はお嫁に来てよと照れくさそうに告げられて。
うんと頷くより先に、『指切り』とばかりに差し出された小指に思わず、涙が溢れ出そうになった。







end.


意外にも『ライオンバンビーナ』のふたりを気に入って下さった方が多く、続きを〜と仰って頂いたのに調子乗ってみた次第(w;
これも某所に上げてあったヤツです。バカップルです。平常運転です。
いつも以上に松本の乙女っぷりがパネエですが、マイペースこの上なく見える日番谷少年も、こう見えて案外必死なんだぜ〜的な小噺もあったりなかったり…。(どっちだよ)



お題:alkalism

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