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2.


まだ十七と年若い癖に、あたしより七つも年下の癖に。
見た目の若さと裏腹に、やけに老成していて落ち着いていて。
その癖あたしには激甘ときてる。
抜け抜けと「好きだ」と口にする。
…うん、まあ。つまりはそーゆーことよ。
七つ年下の可愛くって小生意気な、あたしのピッカピカの彼氏なのですヨ。
初めの内こそ多少の躊躇もしましたけれど、いざ一歩踏み出してみたら速攻落とされていたわけですよ。ええ、本当に。
だから他の男へと向ける愛想も愛情も、今のあたしは一切持ち合わせてなんていないのだ。
ゆえに無理だと言っているのに、なかなか引かない厄介な男。
(どんだけ自分に自信があるんだっつーの!)
オマケに一緒に合コンへと参加していた同僚女性陣までもが、口を揃えて「なんであんな好物件のイケメンと付き合わないのか」と、お門違いにあたしを責め立てる次第である。
…え?でもそれってちょっとおかしくないか?!
先ほどから繰り返し、何度も言っておりますが。
「だってあたし、カレシがいるし…」
「何言ってんのよ、○○社なのよ!将来有望のちょーイケメンよ!?片やあんたの彼氏って、何?年下のガキで、飲み屋の息子だっけ?…ッハ!言っちゃ悪いけど、一緒にすんのもおこがましいわ!」
いや、おこがましいって、アンタ…。
うちのとーしろーくんだってねえ、ものすっごいイケメンなんですけれど。
むしろ顔だけだったら、あたしのストライクゾーンのど真ん中だったりするんだけど。
しかも将来的にはお店継いじゃう、ある意味有望株なんだよ。
作るご飯もおつまみも、すっごいすっごい美味しいんだよー。
…などとあたしが幾ら反論ぶっこいたところでどうせ、聞く耳なんて持たないんだろうけれど。
あたしより年が若いから?
(いえ、七つも年下の高校生がカレシとは、さすがに仲いい同僚相手にも打ち明けられてないんですけども)
さすがにそれ言っちゃったら、ドン引かれるの目に見えてるもんね。
それこそ大いに呆れられて、挙句件のイケメン営業に乗り換えろ!!って言われるのだって目に見えてるもんね。
それともアレかな、所詮飲み屋の跡継ぎだから?
(えーでもあたし、お酒好きだし冬獅郎くんちのお店だって居心地良くて大好きだし?)
「だいたいあんた、そんな男と付き合って、いずれは飲み屋の女将にでもなるつもり?」
…って。
随分話が飛ぶわね、ちょっと。
言っとくけど、付き合い始めてまだ三ヶ月しか経ってないから、あたし達。
相手、高校生だから。
結婚とかそんな話が出るわけないでしょ、ありえないでしょ。








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あきゅろす。
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