2. 「なに、かんがえてるの?とーしろー」 ひょこんと覗き込むあおい瞳。 ふわふわでやわらかな金糸からは、以前俺が「好きだ」と云った、柑橘系のさわやかなシャンプーの匂いがした。 「すっげ、いい匂いするな。お前」 洗いたてのやわらかな髪を一房つまんで、そっと口元に引き寄せる。 「ふふ。とーしろーも。おんなじにおいがする」 まだ、少し湿った俺の髪に鼻を近づけ、クンと犬みたいに匂いを嗅いだ松本は、濡れたタオルごとぎゅっと俺を抱き締めた。 「つか、服。濡れるぞお前」 「んー…、へーき」 風呂上りのあたたかな肌、大きく晒した胸元に抱かれて、そのままぽすんと2人ベッドに横たわった。 すぐ目の前で、くすくすとわらう あかい くちびる。 グロスを落として尚、あかく色付くくちびるに、一瞬目を奪われた。 「背、伸びたよね、とーしろー」 「まあ、毎日馬鹿みてえに牛乳飲んでるからな」 おかげであれから(3センチほどだが)背が伸びた。 「牛乳嫌いなのに?」 「おー」 「ふふ。それってぜんぶ、あたしのため?」 「他に理由があるか、バカ」 バカと詰られ、微笑みを象るくちびるに、吸い寄せられるように、くちびるを落とす。 触れて。 重ねて。 押し当てた先から、徐々に熱が広がってゆく。 吐息のように、漏れ出た声、に。 背中で、きゅ、と縋る指先に。 胸元で、いびつに歪むやわらかなふたつの弾力、に。 少しずつ…歯止めが、利かなくなる。 * * 圧迫感すら感じる狭い部屋の中。 簡素なパイプベッドの上に、ふたり。 濡れた銀糸からほたりと落ちた雫が一滴、松本の白い肌を濡らして流れ落ちてゆく。 「と、しろ…?」 乗り上げられているのだ、と。 ようやく気付いたように松本は、ゆっくりと俺を見上げて、ぱちぱちと2,3度瞬きをした。 俺の腕に押さえつけられた、細い両手首。 圧し掛かる小さな身体の重みにほんの少しだけ眉尻を下げて、戸惑うみたく微笑んで。 ただ、それだけで。 俺の中に渦巻くどうしようもない劣情を的確に読み取ったらしい松本は、僅かに躊躇したあと、で。 「…する?」って。 照れくさそうに問い掛けてきた。 …いや、ちょっと待て。 幾らなんでも一足飛びにそれはマズイんじゃねえか?と、唖然とする俺の一瞬の隙を衝いてするりと抜け出す白い腕。 あ、と思う間もなく逆に捕らえられていて、抱き寄せられた。 にんまりと弧を描く あかい くちびるが、ちゅ・って音を立てて頬に触れて離れてゆく。 悪戯に光る、あおい瞳。 そうして囁かれた。耳朶に。 「しよっか。今日は、最後まで」 って。 子供のような無邪気なこえ、で。 扇情的な おんなのかお、で。 → 小学生日番谷とおバカちゃん女子高生な松本のパラレルコネタのその後とか…。 仕事中にふと思いついて書き留めてはみたものの…なんだかおかしな方向に進んでしまって、非常にアララ〜?と云った感じです;; まあ、元々ゆるい性格設定の松本なのであっさり先に突き進んでしまいそうな気がしないでも…と思うのですが。ダメ?(w; 以前メールで「続きは〜?」と仰ってくれたEJINさん、こんな予想外な展開でスンマセン…orz [*前へ][次へ#] [戻る] |