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高校生×OLパラレル 2


つまりはどう考えても今どきのイケメン男子高校生の歯牙にも掛からないだろうあたしを、わざわざ店抜けてまで追っかけてきて。
「なんかすっげー好きだから、今男いねえんなら俺と付き合って」
などと告られる理由がもう良くわからない。
だいたいこの子、あたしより十センチは背え低いんだけど。
それっていいの?気にしないの?
フツー男の子はそーゆーの、嫌がったりとかするもんじゃないの?
疑問に思いはするのだけれど、ぶっちゃけ目の前の少年は然して動じた素振りもない。
なかなか肝の据わった少年である。
(ん〜マズイなあ。この子、結構好みのタイプなんだよねえ)
だからって、さすがに『犯罪者』になるのはゴメンだなあと思いつつ、実はちょっぴり心揺れている。
何しろ顔はなかなかのイケメン。
まあまあ目つきは余りよろしくないけれど、どっちかって言うとカワイイ系で、あたしより小柄なところも何気にキュンとくる。
それより何より、華やか過ぎる見た目に反して中身オッサンなあたしをちゃあんと知っててその上で、告白してくるって正直ちょっと…ポイント高いわよ。ぐらぐらよ。
(だいたい見た目だけで寄ってくるような男なんて、大概ロクなもんじゃあないもんね)
(過去のアレソレを思い出してみても、あたしの中身と外見のギャップに萎えるか引くかで、ソッコー去ってくパターンが殆どだもんね)
それに、美味しいのよねえ。この子が作った卵焼き。
「これ、実は俺が作ったんスよ」
と、前にこっそり教えてくれた時、うわあマジで!?とちょっと驚いた。
(以来、必ず頼むぐらいには美味しいと思うのよ、いやマジで)
いつも無愛想な少年が、そんなどこか得意げに照れる姿に、正直ちょっぴりときめいたのも事実だった。
…それに、ねえ?
「ね。なあんで、あたし?見た目軽そうだから?中身も軽そうに見えるとか?だから、すぐにやれそうとか思ってる?」
意地悪くも畳み掛けるように詰問したら、「はァ?!」と眉を顰めて訝って。
「なんで…って。カワイーから?」
などとあっさり言われてしまったものだから、思わず言葉を失くした。羞恥の海で溺れ死ぬかと思った。
「っか、可愛い…って、アンタ。バッカじゃないの?!見た目コレで、中身アレよ?!オッサンよ!ちょ…目ェ腐ってんじゃないの?!」
「腐ってねえよ。つか、充分可愛いって、あんた。あのさ、うちで飲んで食ってる時の顔とか、見たことねえだろ?すっげニコニコのご機嫌で、ガキそのものだって知らねえだろ?」
「………」
あ、それってばもしや、思い出しデレってヤツですか?
などと、うっかり突っ込みたくなるほどに、真っ赤にデレたお顔で滔滔と諭されてしまい、あたしの頬までが熱を持つ。
うわあ、なんともこそばゆい限りでございます。








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