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死ぬまでいなくならないで 7


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*


「ねえ、たいちょ」
「…ああ?」
「ところで結局どうなりました?例の五番隊の人事の件」
「どうもこうも、お前を異動なんてさせるワケがねえ」
「あら、やっぱり?」
「ったりめーだ。だが、まあ…五番隊の隊首には、藍染の前に隊を纏めていた平子真子が返り咲くって話だったから、雛森のことをくれぐれも頼むと念押しといた」
「でも、全然タイプが違いそうですけど…上手くやれそうです?あの子」
「さてな。だが、ちょっと話した感じじゃ裏表もない、そう悪いヤツでもなさそうだったし。今度こそは…大丈夫だろ」


そう言って。
繋いだ手のひらに力が篭もる。
だからくだらん噂に惑わされるな、と。
『自分』の隣りに居るのは、背中を預ける相手はこの先も、あたしひとりなのだと改めて、わかりやすくもあたしへと示してくれる。
だから思わず頬が緩んだ。嬉しくて。
「ね、たいちょ。明日は久々にあたしと一緒に飲みましょうか?」
嬉しくて。
だから、甘えてしまう。
今日もまた。
「は?なんだよ、急に」
「いえ。そーいえば、たいちょがまだ三席だった頃はよく一緒に呑みに出かけましたけど、最近ご無沙汰だったなー…って、ちょっと思ったんで!」
「ンなこたねえだろ。てか、先週も一緒に飯食いに行ったばっかりだろが」
「ええ、まあそれはそうなんですけど。…そうじゃなくって!もっと、こう…さっきみたいな居酒屋で!ですようっ」
ね?いいでしょ、明日はあたし、お仕事すっごく頑張りますから!
ちゃーんと定時までには全部書類も終わらせますから!と。
小さなその背に不意打ちのように抱き着けば、すぐにもぺしゃりと潰れてしまう華奢なひと。
「バッ…!てめえ、松本っ!!」
あたしへと怒鳴りつける低い声。
見るからに怒っている。苛立っている。
けれど結局は、笑ってくれる。
あーもう、しょうがねえなあ!…って。
あたしのわがままごと、あたしを受け止めてくれる。
その小さな身体で。
手のひらで。
あたしをちゃあんと受け入れてくれる。
子どものような、小さくってあたたかな手のひら。
だけど、見かけによらぬ大きな器。

…あなたが傍に居てくれるから。
…あなたが傍に居てくれるなら。

今日も、明日も、この先も。
ずっと、ずうっと…あたしは笑っていられるの。






end.


5/22現在、本誌で触れられていない『一心が失踪したと知れた際の日番谷と松本の反応』なるものを、想像ついでにふと思い付いた突発コネタ。
ふたり揃ってあれだけ一心に懐いてたわけだし、ふたりともすっごいショック受けただろうけど、殊に松本は嘗ての市丸のこともあるし、さすがに二度目ともなれば隊士達の前で顔に出さずとも相当深く傷付いたんじゃね?
少なくとも日番谷はそれに気付いていたんじゃね?
そんで日番谷があんなにも雛森を護る護るって言ってる理由が、一心失踪の際の松本の傷付いた姿を目の当たりにしたことにあったらちょー萌えね?!///と。
日乱フィルター全開に、ガンガン妄想してみた次第です(笑)いやでも案外ありえないこともないんじゃないの?と思ってる、俺!>< てゆか、日乱スキーさんはきっとみんな考えた筈!;;
因みに、あくまでこのふたりは主従です。主従愛です。でもラブラブですバカップルです(笑)そんなふたりが大好きですv


お題:まよい庭火

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あきゅろす。
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