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これが私の王子様 2


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(何がどうしてこうなった!?)
てゆーか、そもそもどうしてここに日番谷がいる!?
そんな事態に陥ったのは、お見合いの為にと足を踏み入れた、とあるホテルのラウンジ内でのことだった。
ラウンジは正装姿のひとでやけにごった返していて、どうやらチャペルも併設したこのホテルで、今日結婚式を挙げるカップルがいるらしいと察したところで嫌な視線に見舞われた。
それを、…まさかね、と。
思わなかったと言ったら嘘になる。
だって日番谷は今日、この日。
従兄弟の結婚式に招待されているから会えない、と。
確かに言っていたのだから。
(いやいや、何しろ今日は大安だし?世間には結婚式を挙げるカップルもそりゃあ山ほどいるでしょうよ)
よもや日番谷の親戚とやらが、ここのホテルで『ホテルウェディング』を挙げるなんて偶然、幾らなんでもあるわけない、と。
思った矢先に目が合った。
てゆーか、射竦められて、ヒッと短く息を呑んだ。
珍しくもスーツ姿の日番谷が、恐ろしいことにお見合い真っ只中のあたしを凝視していたのである。
(いーーーやあああああ!!!)
居るし!
めっちゃガン見してるし!
怒ってるしー!!
おかげであたしは気もそぞろ。
バイブにしていた携帯には、「後で寄る」と云う、恐ろしく簡潔なメールが一通残されていた。
それが余計に恐かった。






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あきゅろす。
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