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不幸な恋の終らせかた 3


「つっても、俺もいちいち突っ込んで聞いたわけじゃねえから詳しいことは知らねえけどな。ま、相手が相手だし、冬獅郎の粘り勝ちってヤツなんだろうな。すっげー上機嫌だったぜ、あの頃のアイツ」

然も愉快げにくつくつと笑う黒崎はきっと、当時のことをひとり思い起こしているのだろう。
それがまた何とも面白くない。
(てゆーか、ツレならその辺ちゃんと突っ込んで聞いておきなさいよ!)
理不尽にも胸の打ちで罵ってから、黒崎の持ってきた年賀状へと目を落とす。
実感なんて、今尚湧かない。
(だってまだ学生よ、あたし達)
なのに、結婚?
しかも年上?
足掛け五年も付き合ってたの?
蘇るのは、初めてフラレたあの日の苦いばかりの失恋の記憶。

――フラレろ、バカ!

他の男と付き合いながらも罵り続けた、呪い続けた未練いっぱいの執着の記憶。
だけど結局叶わなかった。
思い知らされて、悔しさが募る。
(日番谷の、アホ!)
そんなあたしの胸の痛みも惨めさすらも気付かないままに、尚も黒埼は口を滑らせた。


「来年の年賀状は『我が家に家族が増えました』ってヤツだな、多分」


せんせー、今七ヶ月だっつッてたからな・との止めのそのひと言に、あたしはギシリと歯噛みをした。

(わあ、もう!日番谷なんてホント大嫌い!)


勝手に幸せにやってなさいよっ!!





end.

脳内にて随分前から出来上がっていたコネタなのですが、パラレル多すぎてなかなか形に出来なかった作品だったり。
需要云々はともかくとして、ようやっと日の目を見せてあげることが出来てヨカッタヨカッタ(笑)
この日番谷はかな〜りゆるゆるな性格設定なので、飄々と学生結婚に持ち込みそうだなと思って妄想w

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