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不幸な恋の終らせかた 2

*
*


そして、今。
あたしは思い切り驚愕している。
愕然としている。
信じられないと呻いている。

「うそ…でしょお?」

けれど何度呻いたところで、瞬きばかりを繰り返したところで。
それは現実に他ならない。
高校を卒業して早三年。
高三の時の同窓会の席で見せてもらった年賀状を前にあたしは、ひくひくと頬を引き攣らせている。
そこには真っ白なウェディングドレスに身を包み、微笑む松本先生と。
白のタキシードに身を包み、至極ご満悦に寄り添う日番谷の姿が映し出されていたのだから当然だ。
曰く。

――結婚しました。

まだ、学生の分際で。
しかも、あの松本先生と!!
持ち込んだのは、日番谷王子と比較的仲の良かった黒崎だった。



「まあ、やっと落ち着くとこに落ち着いたって感じだよな、このふたりも」
などと暢気にのたまう黒崎は、どうやら高校卒業後も未だ日番谷と交流があるらしく、しかも高校在学当時からふたりがデキていたことを唯一知っていたと云うから驚きである。
(そして多分、コイツはあたしが日番谷にフラレたことを知りもしないに違いない)
だから是幸いとその辺りの事情を、根掘り葉掘り探りを入れることにした。
とゆーか、そうでもしなけりゃ納得出来なかったのだ。
「っざ、在学中っていつからよ?!」
語気も荒く突っ込むあたしに、さすがに何か感じるものがあったのか。
それとも後の日番谷の報復を本気で恐れたゆえなのか。
「さすがにそこまでバラしたら、後で冬獅郎に何言われっかわっかんねえから」
と渋る黒崎にたらふく飲ませて詰め寄って、漸くその口から引きずり出した答えは。
「確か二年の夏休み明けにはデキてたんじゃなかったか、あのふたり」
と云う、大層ショッキングな事実だったものだから、さしものあたしも言葉を失くした。
(てゆーか、二年!?それも、夏休み明け!?)
それってあたしが日番谷に告る半年も前のことじゃない!
その時点でもうとっくにデキてたってこと、あのふたり!?
だとしたら、何と云う間抜けさだろう、当時のあたし!
他の女子より仲が良かったとか、他の子たちには見せない笑顔を見せてくれるとか、勝手に思い込んでいた。確信していた。
その自信があの告白へと繋がったのだから。







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