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8.


「お、…おーさま?」
「アホか、テメエは。あの男がお前のために、まともな嫁ぎ先やら仕事先なんか探してくる筈ねえだろが。そうだな、良くて隠居ジジイの後妻か、愛人か…。それもマトモな性癖の持ち主だったらまだマシな方と覚悟しておけ」

挙句、なんとも意地の悪い顔で意地の悪いことを抜かすものだから、ついうっかりと涙目になった。
うわあ、おおよその予想はやっぱり当たってましたか!
いやでも性癖異常者の可能性までは、さすがに頭が回りませんでしたあああああ!!
(そ、それはさすがにカンベン願いたい)
てゆーか、大いに嫌だ。嫌過ぎる!!
なのに王様ときたら尚も平然と追い討ちをかける。
「しかも落ちぶれた貴族の娘で、親もいなけりゃ親戚からも見捨てられてるとなりゃあ、向こうにすれば尚好都合。さんざおもちゃにされて甚振られたあと、場末の娼館辺りに売られてハイオシマイ・ってこともありうるな」
…って。
ちょっとちょっと、何言ってくれちゃってんのよ、このひとおおおおお!!!
「っお、おーさま酷いっ!てゆーか恐い、その発想!!」
よもやその年でそう云ったところに出入りでもしているんじゃないでしょうね!と詰め寄ったら。
速攻「アホか!」と怒鳴りつけられた。
ちょっと呆れているようだった。
「そうじゃなくて、そーゆー相手を下手すりゃ紹介されかねねえっつッてんだ、俺は」
誰がンなトコに出入りするか、と。
若干憤慨しながらも。
「つーか、お前にしたってよもやそうそうまともな相手を宛がわれるたあ思ってねえんだろ?」
と、問い詰められて、あたしは再び返事に困る。







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