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策士策に溺れず 2


つーかあのひと、やっぱ冬獅郎のこと何気に気に掛けてんじゃねえの?
案外両想いだったりするんじゃねえの?
と、思いつつ。
こっそり冬獅郎の携帯に連絡を入れる。

「オイ、お前今どこにいんだよ?」
「あ?そっち向かってるとこ」
「乱菊さんもう店に来てっぞ」
「……すぐに行く」

そうして慌てた様子で店へと現れた冬獅郎は今、何とか無事乱菊さんへと誕生日プレゼントを渡すことに成功をした。
尤も、あのタイミングでヤツの腹が鳴ったのは、予想外のハプニング以外の何ものでもなかったけれど、今となってはそれすらも『運がいい』としか言いようがない。
何しろプレゼント渡して意識してもらえたらラッキーぐらいにしか思ってなかったのだ、俺達は。
それが、よもやこんな展開にまでなるとは誰しも思わなかった。
だから正直驚いてる。
あの瞬間の自分の機転と舌とに、盛大な拍手を送ってやりたいぐらいだ。

(うん、まあ何はともあれ、良かった良かった)

学校帰り、わざわざ隣町まで足を運んで彼女のためにプリンを買い求め(ケーキは種類が多すぎて、どれを買っていいのかわからなかったと、のちに冬獅郎はこの時のことを語っている)、彼女に会いにここへと向かった冬獅郎は、本当に良く頑張ったとおもう。

(いやまあ、さすがにここまでくると、ある意味ストーカーの一歩手前だよなと思わないこともないのだが…)






「うまく行くといいねえ、冬獅郎くん」
「あー、まあ…そうだな」


無邪気に笑う井上に、苦笑混じりに笑みを返して。

いらっしゃいませ、こんばんはー!



まるでふたりが奥へと消えたタイミングを見計らったかのように急に混雑を始めた店の中、俺はいつものように声を張り上げた。




end.


松本誕コネタ『SWEET PAIN』の零れ話的な感じで、親友思いな黒崎少年のあれやそれやとか…。
そんでこれ、いちお10月10日、十番隊デーに因んだ更新のつもりなのですが、…主従全然出てきてねええええ!!!\(^o^)/
イメージ的にはこの店のオーナーは浦原だったりするので、井上さんは浦原さんの姪っ子と云うことでお願いします(笑)さすがパラレル!なんでもありだなww

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