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SWEET PAIN 6


嬉しくて。
本当に本当に、バカみたいに嬉しくて。
まるで宝物でももらったみたいに顔が綻ぶ。
手渡された袋をそっと受け取る。覗き込む。
中には大ぶりの容器に入った美味しそうなプリンがふたつ、仲良く並んで収められている。

(うう、美味しそう!!)
そう思ったら叫んでいた。


「うわああああ、すっごいすっごい嬉しい!」
「松本さん、今すっげー目がキラキラしてる…」
「だってすっごい美味しそうなんだもの!」


なんだろう、これは。
あたし、ものすっごい幸せ過ぎる、今!!
偶然会えただけでも嬉しすぎるのに、「おめでとう」って誕生日まで祝ってもらえて、プリンのプレゼントまでとーしろーくんから貰えちゃって。
あまつさえ、いつもと違った学生服姿まで見ることが出来て。

(どうしよう。こんな幸せな誕生日、もしかしたら初めてかもしれない)

…ああ、今なら嬉しさで死ねる!
そんな感極まったその時のことだ。
店の中、突如大きく響いたぐうとお腹の鳴る音に、あたしは一瞬目を丸くした。
傍らを見ればとーしろーくんが、如何にも「しまった」と云う顔をして、自身のお腹を押さえているではないか。

「……てか、飯食ってねえの?冬獅郎」
「これから家帰るんだから、食ってるワケがねえだろが」

そんな憎まれ口を叩いているとーしろーくんの家が、いったいどの辺りにあるのかまではわからないけれど。
時刻は既にお夕飯時を回って余りある。
そりゃあお腹も空くだろうな。
可哀想だなと思ったあたしは、ふと気がついた。

――プリン!!

そうよ、あたしが取っちゃったんじゃない!この子のおやつ!!






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あきゅろす。
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