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さよならの変奏曲 2




「あん、もう!数学なんて大っきらーい!!」

「お前の場合は数学だけの話じゃねえだろ。英語と理科も致命的じゃねえか」

「うう…それを言わないでよう」


日番谷のいじわる…と。
べそべそと泣き言を漏らした女は、一瞬の沈黙のあと、ふと真顔になると俺を見据えた。
夕焼けの射し込む放課後の教室に、今は俺たちふたりきり。
ひとつ机を挟んで、向かい合わせに座っていた松本を、間近に捉えて思わず喉が鳴る。
「…ねえ、日番谷」
徐に呼びかけてきた、と思ったら。
目の前の女はすぐさま確信を衝いて来た。


「どうしてあたしにこんなに優しくしてくれるの?」


テスト前なんだし、自分の勉強だってあるでしょう?と、問われて返す言葉に詰まる。
相対する松本の顔は、夕日に照らされ赤く色付き、その目は決壊寸前の湖のように水を湛えて潤んでいた。

「それに、日番谷…年上のきれーなカノジョがいるって噂だし、なのに…そんな風にやさしくされたら。笑いかけられたら、あたし…そんなの忘れてうっかり嬉しくなっちゃうよ。期待しちゃうよ」

ややあって。
ず、と。
鼻を啜る音がして。


「日番谷のこと、…どんどん好きになっちゃうよ」


ぼたりと落ちた。涙の粒が。
青い瞳から、はらはらと。
決壊を起こし、溢れ出してゆく。
濡らしてゆく。
松本の頬を。
スカートをぎゅうと握り締めた、手の甲を。
――その瞬間。
伸ばした腕はおよそ自分の『理性』とは乖離していて、ただ…本能のままに抱き寄せていた。抱き締めていた。
目の前のおんなを。
俯いたまま、はらはら、と。
涙を零して好きだと口にした松本のことを。
突き動かされた、衝動のままに。
そうして口に出していた。
その耳元に、注ぎ込むように。

お前が好きだ、と。

ただ、うわ言のように。
抱き寄せたおんなへと向けて、繰り返すように告げていた。



end.


日乱的にこんなオチだったら許されるかしら??と思いながら書いてみたけど、…ありがち展開でぜんぜん面白くねええええ!!と、しみじみおもっただめなひと。
やはり管理人的には、高校生×OLのが断然萌えるようです。むしろ、そっちバージョンのが書きたいなあとかおもったり…。
そんな感じで、ぐだぐだのしょーもないコネタにここまで長々お付き合いありがとうございましたー!(笑)逃げ!www

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