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日乱
日番谷冬獅郎の憂鬱


「隊長、見ました?瀞霊廷通信の最新号!やっばいですよー、この『男性隊士アンケート・お嫁さんにしたいNo.1』は雛森ですって!」
「…それのどこがヤバイんだ?」
「うわ、たいちょー可愛くない!!いいんですかー?隊長の大事な大事な雛森が狼クン達に狙われてるっていうのにそんな余裕ぶっこいてて」
「ンなもん、所詮くだらんお遊びだろが」
「うっわー、ますます可愛げなーい!!」
「そう云うお前もランクインしてたじゃねえか」
「……あー、『一緒に飲みたい女性死神No.1』って、アレですか?」
「ああ」
「がっかりしちゃいますよねー、まぁお酒は全然嫌いじゃないからいいんですけど、酒を酌み交わしたい女No.1とかって言われても…色気もへったくれもないってゆうか?どうせランクインするならあたしも『彼女にしたい』とか『お嫁さんにしたい』みたいなのが良かったなー」
「お前じゃ無理だろ」
「ひっ、どーい隊長!!そりゃああたしなんてせいぜい『愛人にしたい女NO.1』がいいとこかもしれませんけど、そんなハッキリ無理とか言わなくったっていいじゃないっスかー!」
「……いや、誰もそうは言ってねえ」






ハァと深々溜息を吐いて、日番谷は仕事の手を休めるべく筆を置いた。
それから松本が(勝手に)書類の束の上に置いた瀞霊廷通信最新号の件の『アンケート』ページに目を落とす。
『一緒に酒を飲みたい女性死神NO.1/松本乱菊』の下には小さく松本の写真と、「選んでくれてありがと。すっごく嬉しいでーす!皆様ぜひぜひ誘ってネ?」なる松本からのコメントが載っていて、日番谷は思わず頭が痛くなった。
(全く…冗談じゃねえ)
ンなこと雑誌で言いやがって、本気で酒の席にでも誘う輩が居たらどうするつもりだ?!つーか、お前と酒飲みてえなんて言ってるヤツらのコメントちゃんと読んだのか、お前。どいつもこいつも酒飲まして酔わせてあわよくば…っつー下心と魂胆見え見えじゃねえか、バカ野郎!
ムッとした日番谷とは対照的に、松本は暢気に鼻歌なんぞを歌っている。
「何だよ、えらく機嫌がいーじゃねえか」
「ええ、実は早速先ほど『僕達と今夜辺り飲みに行きませんか?』なーんて、十一番隊の子達に誘われちゃいましてー」
「…っな!!」
ほらみろ、言わんこっちゃねえ!!
(しかも十一番隊と来るか?…まぁそいつらは後で更木に言って締めさせるとして)
などと、顔には出さず物騒なことを日番谷が考えていることを松本は知らない。知る由もない。




「言っとくが、今日はお前残業決定だからな」
「え…ええーーーっっ!!!」
隊長、酷い!横暴です!!などと叫んだところで無論日番谷の気が変わる筈も無く。
結局松本と十一番隊隊士達との飲み会は敢え無くキャンセルとなってしまった。
「うう…せっかくタダ酒が飲めると思ったのにぃ…」
「雛森なんかより俺はテメエの方がよっぽど気がかりだっつーの」
「…え?今何か言いましたか、隊長」
「………なんでもねえよ (つか、肝心なことは聞こえてねーし)」
たいちょーのあほーと恨み言を零しながら渋々筆を動かす松本を、日番谷は最早嘆息を持って見つめるより他なかった。






end.


カラブリ的なたいちょと松本。珍しく三人称とか。
鰤サイト設置当初のWEB拍手のお礼コネタだったので、既にご覧になってる方もいらっしゃるかと思いますが。
日乱と言うより日→乱なカンジで、たいちょはいつでも松本相手に苦労人だと良いと思ってます。


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