[通常モード] [URL送信]
信じがたい事実
「弁慶いるか!」

威勢のよい声と共に、勢いよく開けられる襖

部屋の中からの返事を待たず一歩踏み入れた九郎は、自分の目に飛び込んできた状況が理解できず呆然と立ち尽くす。

『何ですか、九郎?君という人は勝手に入ってきて…少しは空気を読んでもらえませんか?』

「す、すまない。」

真っ赤になった顔を逸らしながら、九郎は弁慶に尋ねる。

「無理矢理…抱いたのか?」

『僕にしがみついたまま眠る彼女が、嫌がってるように見えますか?』

行為の後、そのまま意識を手放してしまった未麻は、弁慶の胸の中で深い眠りについていた。

「…っ…!!」

信じられない光景に顔を歪める九郎。

悪い夢であって欲しいと願いたいが、この状況の説明がつかない。

昨日…

何があったと言うんだ!

俺は無理にでも

手を離してなど

行けなかったんだ。


弁慶の部屋を飛び出していた九郎は、廊の突き当たりで床に跪く。

ただ…

己の愚かさを1人嘆くことしかできずに。



[*前へ][次へ#]

5/29ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!