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献上品とかお宝とか
◆朝霧さまへ!




「風紀委員長様夢」



"Study&Sugar"





「…で、あるからして………√9は3…、」


「…………。」


さてさて、
始まりましたね学校生活。


三年生は受験勉強に突入いたします。


…ふだん、といっても、
毎年ながら、
私には関係ないもの。

何故ならそれは……


「ちとせ、何してんの」

「I am studying.」

「………、」


某風紀委員長様の手元に、契約書があるから。(現風紀委員長の雲雀がやめるまで、一緒にいるとかね。)


しかし、私だっていつまでも三年生をやってる訳にはいきません。

勉強はそれこそ、実年齢と同じだけ出来なくてはいけないのです………。


―――――――――………


一心不乱に勉強、無我夢中で勉強。

英語、数学、理科、社会。


私は今朝、応接室に着てからというのも、片時も教科書を離したことがない。


「ちとせ、紅茶」


「ん…(2a分の…)」


「資料整理してよ。」


「へー…(−b±…)」


「ちょっと…、」


「あー…(√b2乗−4ac)」


「……………。」


彼の言葉にも生返事。

だって数学難しい!
英語は文法意味不明!

暗記ばっかり記述ばっかり!問題集とにらめっこ。


…えーと、?
moreが比較級で、
mostが最大級?

上が空気調節ねじで、
下がガス調節ねじ?

…わ、訳分かんない…。


私は銀のシャープペンで、こめかみを押した。
…頭の筋肉痛。
使いすぎ痛いよ。


「っ、ハァ〜…」


私はシャープペンを机に放り出して、次は社会の問題集を掴んだ。



「………。」


…あら?
妙に静かになったな。
さっきまで何か騒がしいと思ったんだけど。
まぁいい静かなことに越したことはないから、




―どすっ


「…うっ、」

な、なん…っ!
重!背中おもっ!
あっ問題集が曲がる!


「…………。」


「…うぁ」

……ひばり。
やっぱアンタか。

背中の重みの正体は、やはりというべきか彼だった。

彼は私がソファーに座っているのをいいことに、首に腕を回して後ろから抱きついてるような状態。

首筋に彼の柔らかい髪が掛かってくすぐったい。


…男の子なのに、なんでこんなにイイ匂いがするんだろう。甘いようなラズベリーっぽい匂い。


「……雲雀、おもいよ」


「…ん。」


腕の力が強くなった気がする。



「ん、じゃなくて…。」


私はポンポンと、絡み付く彼の腕を叩いた。


私の肩にぐりぐりと頭を押し付ける雲雀。
耳もくすぐったい。


やむを得ず、問題集を机に置いた。


「…どしたの、雲雀」


「……別に。」


「別にって…。じゃあ放してよ、勉強できない」


「やだ」

彼はソファーの後ろに座り込んで、おかげで自然と私は反り返る形になる。

逆さまに、彼の顔が見えた。ちょっと機嫌わるい。


「…この態勢キツイよ」


「知らない。」


「…はぁ。」

何を私がしたというのか。
彼はご機嫌ナナメである。


「紅茶、いれなかったから?」

このままだと頭に血が登りかけない。
気分わるくなる。

私はとにかく彼の機嫌の悪さを直すために、片っ端から思い当たる理由を挙げていった。

「ちがう」

「…じゃあ暇なの?」

「全然合ってないよ」


…しかし彼はその理由のどれもを、真っ向から完全否定する。


「はぁ…。じゃあ何、私に構ってほしかったの?」


「………、」

返答がない。

彼は困ったように目を泳がせて、眉を曲げた。




「………え、ビンゴ?」


再度彼に尋ねる。



「………ちがうよ」

彼はプイと顔を反らした。


「へーえ。」


あぁそう、雲雀もかわいいとこあるんだなぁ。


私がニヤーと笑うと、彼はさも不愉快そうに口を歪める。



「…ちとせ、」


…名前を呼ばれて、途端にちゅっと唇にキスされた。

「…!」

……不意討ち。
やられた!思わず唇を手で押さえる。

私は反り返ってるから、いつもとは逆さまのキス。
彼の顔も逆さまに見えるけど、フフンと勝ち誇ったような表情が憎らしい。



「僕に退屈させた罰だね」


「…っ」

こンの暴君!

私は熱くなる頬を手で隠しつつ、「バカヒバ。」と悪態をついた。


「顔、赤いくせに。」


「〜〜〜!!」


雲雀はさっさと立ち上がって、またデスクに戻る。


…私はといえば、
長時間逆さでいたせいでクラクラしてしまい、ろくに彼に文句が言えなかった。



「ちとせ、紅茶」


「はいはい、只今」


「資料整理してよ。」


「ういーす」


「ちょっと、」


「…なによ。」


「もう一回キスしようか」


「…っ、ばか!」



――――――――………



勉強なんかより僕を見て。




continue…

はい、朝霧さまキリ番6000リクエストの「風紀委員長甘え夢」でした!

…どう、なんでしょう。
甘えてましたかね……、
なんだか駄々っ子みたいになっちゃったような…。

こんな駄文でよろしければどうぞ、お受け取りくださいませ!

ではまた次回!

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