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献上品とかお宝とか
◆葉さまへ!
66666キリ番雲雀甘夢
なんかのCMパロ。
コア2デュオ的な?









「え〜、明日から冬休みですね、」

皆さん、くれぐれも何かにずば抜けて上手くならないように〜……
ゴホン、大なく小なく並で過ごしましょう。


校長先生がいつもの言葉で締めくくる。
このあと校歌を歌って、私たちは晴れて明日から冬休み満喫……となるわけだ。


でも……



「ハァ…」


携帯を片手に、ため息。

さっきからずっと…同じ番号を表示し続ける画面。
暗くなってはバックライトを点け、それでも発信ボタンを押す勇気が出せずにいる。


……雲雀くん…、

明日から冬休み。
きっと学校好きの彼は冬休みも先生に直談判をして学校にいるだろうけど、私は一般の生徒だもん。

冬休み中の勝手な登校は禁止だから、これから1ヶ月くらいは彼に会うのも禁止なの。


帰り道をトボトボ歩く。


もう…
これからの1ヶ月を思うだけで今すぐ雲雀くんに会いたくなっちゃう。
こんなんじゃ、きっと宿題だってまともに出来ないよ。
夕陽に伸びる影が淋しく。


「……」


仕方なく、私は発信ボタンを押した。
部下以外では君にしか教えないんだからね、と念を押された番号を携帯がリコールする。


(少しだけ、声だけ聞いて……)

あとはすぐ切ろう。
雲雀くんの迷惑にならないように。


プルルルルプルル……

コール音が耳に入る。

ふ、と見上げた先に、小さな小鳥が飛翔しているのが見えた。


プルルルル、ルルル……


(あの、黄色い鳥って…)


ぼーっと見上げていたのもつかの間。
その鳥が、今…、


ものすごい勢いで、急転直下してくるのだ!!


「えっ、え…?」


わ、わわっ!
私の真上からそんな勢いで飛んできたら…ソレ…



『はい、もしも…』

「っいたっ!」

『……え?』


やっぱり当たった!
いったぁ──っ!
しかもタイミング悪い!
雲雀くんが電話に出た瞬間に当たるなんて!
尋常じゃない!ヒリヒリするもん、つむじ!
ヤバイこれハゲてない?
ねぇハゲてない?


「ご、ごめん雲雀く…ん、でも、……いたっ!」

『ちとせ?』


やだ、なにこの鳥!?
なんでつむじばっかり狙って……なんで私、狙われてんのよ!


「…った!あいたっ!ちょ、本当に…痛い!」

『……、』

「ご、ごめ…!雲雀くん、私今実はすごい…痛ッ!」

痛い!
すごい勢いで黄色い鳥から襲撃を受けてるの!
雲雀くんごめん、でも痛いんだよーっ!!


『……たい、』

「…っえ?」

『僕も、会いたい…』

「!!」

『すごく会いたいよ、ちとせ、』


雲雀くんからの、思わぬ一言。

びっくりした。

雲雀くんって、いつもこんなに声、震えてたっけ?
こんなに恥ずかしそうだった?
こんなに……


『今すぐ、会いたい』


今度ははっきり言われた。
受話機から聞こえる声にエコーが掛かったと思ったら、後ろから、風になびいた学ランの腕が見えた。


「あっ」

「…我慢できなくて来ちゃった、」

「ひ、ばりく…」


さっきまでいなかったはずの彼が、後ろにいた。
彼の黒いケータイを持った手が首に回される。
(その表示された私の名前にハートが付いていたように見えたのは、気のせい?)


あの黄色い鳥はいつの間にか、いなくなっていた。


携帯はとうに通話が切れて真っ暗になっていたけれど、
私たちの冬休みは、明日からが薔薇色みたい。



















(慣れないことはするもんじゃないね)(雲雀くん、真っ赤だもんね)(…ッ!それは、)(夕陽のせい、なんでしょ)(わ、分かってるじゃないか…)






こんな作品になってしまいましたが……
(しかも季節ズレな。)
よろしければお受け取りください。
ありがとうございました!

誤字脱字、辛口評価、
お待ちしております。



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