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献上品とかお宝とか
◆西岡和泉さまへ!

゙頭能力強化しすてむ゙






我々風紀委員たちは、資料整理の際、一切の電卓器具を使えない。


つまり携帯の電卓機能も、無駄に人数分ある電卓も、常に新品同様なのだ。


いやそれが何故かといえば…………、

「電卓なんて電池が無きゃ動かないじゃないか。携帯の電卓機能だって、壊れてたら使えないでしょ」

という雲雀風紀委員長の言葉による脅迫の所為である。




…故に、

我々風紀委員たちは資料整理において、非常に頭を酷使する。



つまりは計算が得意になるということで。

他の風紀委員たちは常に、数学に関しては群を抜く成績なのだ。

他の風紀委員たちは、ね………………。


というわけで私は、


「ちとせ、どう思う?この点数」


「ちょっと、悪いなぁ…と」


「うん、その悪い成績をとったのは誰?」


「…私です………。」



最近あったテストについて、雲雀に(ネチネチと)責められていたところだ。




「はやく、見ててあげるからコレしなよ」

そう言われて渡されたのはもちろん、ブッ厚い数学問題集で…………。


「正解する度にキスしてあげる」

なんと変なプレッシャー(という名の脅迫)までかけられた。


「それって、正解しない方がいいじゃないですか」


私は思った通りを口にする。
だって正解するたびにキスされていたのでは、絶対こっちの身が保たない。(まぁ正解できたらの話だけど)

正当な理由を元にプレッシャーの根源を潰そうとしたけど、

「ちとせ、僕とのキスを罰ゲームみたいにしたいのかい?」

雲雀の駄々っ子出現によりあえなく撃沈。

「いやそう言うわけでは………」


「じゃあキスされて嬉しいの?」


「それだけは断じて違います。」


こんな言葉あそびを数時間。辺りはとっくに日も落ちて、生徒たちの下校時間もとうに過ぎている。

私だって、やわらかいソファーとはいえ足腰が痺れてきた。


「…仕方ないな、じゃあこの十問だけ解いたら帰っていいよ」

「え、本当ですか!」


うん、あんまり暗くなると君ひとりじゃ心配だから。なんて言ってる雲雀だけど、あれできっとオバケが怖いんだよ、絶対!


それでもとにかく早く帰りたい(だって今日、見たいドラマがあるんだもん!)私は、ろくすっぽ考えもせずに問題を解いていった。


もちろん合ってるはずがない。でもどっちにしろ構わないのだ。雲雀にキスされることもなく、時間がかかるわけでもなく。


「ちとせ……」

思った通り、怒気を含んだような声。
いや、でも怖くない。
だって雲雀は、なんだかんだ言って私に手をあげた事が無いんだから。


「…やっぱり、間違えてたのか……」

そう独りごちて、さぁカバンを手にドアへ向かおうとしたとき。

「…全問正解なんて、よっぽど僕とキスしたかったんだね」


…悪魔の声が聞こえた(気がした)。


「えっ、うそ!?」


全問正解のはずがない。

だって何も考えてなかったんだから。


それなのに雲雀の持った問題と答案用紙には、素晴らしく形のよい丸が10こ、きちんと並んでついている。



「ま…さかっ!」

しかし今は勉強が出来た、という事実よりも、雲雀に10回キスされる、という恐怖の方が強い。




「うん…約束だからね」


にやり、笑った暴君風紀委員長に、背筋が凍るという感覚を覚えた。



「い、いゃぁぁあっ!」



――――――――……


担任に根回ししておいて 正解だったよ。




continue…

はい、西岡和泉さまキリ番リクエストの「雲雀甘夢」でした!

どんなのにしよう、と最後まで悩んだ結果がコレです……orz‖||...

ほんと大変でしたねぇテスト(´Д`)
いいんですけどね、嫌な事は忘れる主義だから。

さぁ早く春休み来ないかなぁ(>_<)


では西岡和泉さま!
こんな駄文でよければ貰ってくださいまし!

ではまた次回!

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