お恥ずかしながら。
ワオ看護師さん?4裏下
無言で後の処理をする先生を振り返るけれど、こっちを見てもくれない。
「せ、先生……」
呼んだあとに動きをピタリと止めた彼が振り返る。
行為を終えた人間がする顔じゃなかった。すごくすごく不機嫌そうに口をへの字に曲げていて、ただ不快そうではなかったのか救い。
「あ、の……」
言い淀んでいると、また作業を再開する彼。
部屋から出ていこうとするから、私は慌てて先生の腕を掴んだ。
「先生っ」
「…ちとせ、」
「…っご、ごめん、なさい…」
「どうして謝るの」
「…そ、れは…」
口籠もる私に、先生はため息をつく。…呆れられた、のだろうか。今更なにをって。
「…ちとせは今日の、気持ち良かった?」
「…っえ、?」
「正直に答えていいよ」
「……あ、あんまり…」
「そう、…よかった。僕も気持ち良くなかったよ」
「なっ…」
何を言いだすのだ。
あれだけガクガクやっておきながら気持ち良くなかっただぁ?この腰の痛みをどうしてくれる?こんなことで有休は使いたくないのだが。
彼はため息をつきながら身体を私の方に向けた。
「愛はなくてもセックスはできるってことだよね」
「っ…」
さっきから真顔でソンナコトをべらべらと……。
呆れるというかもう、黙るしかなかった。ストイック…もといデリカシーの存在しないルーズな彼に何を言っても、無駄である。
私はぶつくさしながら下を向いた。
愛のない行為、って、今日のがそうだったのか?
「先生…」
「何?」
「あ、の…、仕事だからとか、言って、ごめんなさい…」
「…ああ、」
それ。たまには別な志向もいいかと思っただけ。
先生はヘラッとそう言う。
怖かった?と頬に掛かった髪を梳かれると、怖かったよぉ…っ!と素直に答えざるを得ない気分になる。
先生は優しい。
落として落として上げる、なんて高度なテクニックを使って、一体今までどれだけの女性をオトしてきたんだろうと思った。
彼は「今思い出しました」と言わんばかりの口調で言う。
「それにしても君の予定…、結局パァになっちゃったね?」
「!」
まさか、
それが目的で…!?
(いや予定は初めから無かったのだが…)
よくまぁ、そこまで考えて行動してるなぁ。…やっぱり看護師と医師では頭の性能が違うのだろうか。
彼の計算高さにも驚いたけれど、実は結構、それだけが理由じゃないんじゃないかなぁとは思っていた。
あの苦しいキスの後、これも仕事だなんて言わせない…って、言ってたっけ。
「せっかくだから、も一回愛のあるやつヤる?」
「やっ、やりませんよ!」
「…つまんない」
そう言って軽く口付けられた唇は、あの時の長いキスよりも熱を帯びていた。
「も、もう!」
「前金ってやつだよ」
彼は口元を弛めて、ゴミ捨ててくるよと部屋を出ていった。
私は一人になって少し肌寒くなった部屋で考える。
……もし最初のあのキスが「仕事」だったとするなら、
私と先生との今のキスは、何だと言うのだろう……。
残業手当の有無
(仕事のキスと仕事じゃないキスって何?)
continue…
─────…おま毛
「…先生、ひとつ訊いてもいいですか?」
「なんだい」
「さっき私に"淫売の仕事を教えてあげる"って言ってましたけど、先生は淫売の仕事見たことあるんですか?」
「……」
「あ、あるんですね…?」
「……一度だけ。僕がまだ研修医だったころに上司に連れられてね」
「…(先生にも研修期間ってあったんだ…)」
「君なら上玉を用意してくれるだろうからって無理矢理行かされて、……凄まじかったよ。上司と相手がしてるのを見て、一瞬寒気がした。彼は好き勝手してるのに、彼女は眉間に皺を寄せて、無機質に声を絞りだしてるみたいだった。僕も早くしろって言われたけど、一体相手の女と何をしろって言われているのかさっぱり分からなかった」
「……」
「こういう仕事って、生産的でありながら非生産的だなと思ったよ。ただ時間と金を浪費するだけの怖い仕事だ」
「(でもそれを必要とする人たちもいるんだ)」
「だから僕は、生産的な行為をしようって決めたのさ」
「……」
「ねぇちとせ、」
「……」
「英語で"性交する"って何ていうかしってる?」
「知りません知りません。用事を思い出しました」
「make love…って言うんだよ」
「……!!」
「僕と一緒に、愛を創ろうじゃないか」
「ぎゃぁあ待ってぇえ!」
愛、作っちゃう?
(避妊具付けてぇえ…っ)
(だめ、まだまだ逃がさないよ…)
おま毛えんど
─────…
エロすぎて最低な感じになった。
誤字脱字、辛口評価、
お待ちしております。
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