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年下やら年上やら
隣のおチビさん


"どうしようおチビさん…"




―…今日の学校が終わり、バイクで帰宅の雲雀くん。

さてさてところで、雲雀くん家に、回覧板が回ってきました。

持ってきたのは、田中さんとは反対側のお隣さん。
あれでなかなか老け顔の似合う、かなり頼もしいオバサンです。(雲雀くんのことを実の息子みたいに思って、唯一雲雀くんを恐れない強者でもあります。)―


「あら恭弥くん!おかえりなさい!今日は珍しく早かったのねー!」


「ええまぁ。仕事が一段落したので」

雲雀くんの良いところは、年上の人(人にもよりますが)には、敬語をちゃんと使うとこです。
なかなか出来た坊っちゃんなのであります。


「ちょっと、この回覧板見た!?」

ババサマは雲雀くんが家に入るのを引き止めて、ついさっき渡した回覧板を指さしました。


「最近 小学生の女の子を狙った悪質な連れ去り未遂事件が頻発しています……
ですってよ!」


ババサマは恐怖に青ざめたような顔をして、雲雀くんに心配の目を向けます。


アンタ、可愛いんだから、気を付けんのよ!


…なんて、大きなお世話だこのやろー。
僕を誰だと思ってるんだ。

言い掛けたセリフを飲み込み飲み込み、苦々しくハイと返事をしました。


「なんてゆーの?ロリコンだっけ?それって変態よねーっ。超・気持ち悪いわよねーっ!」

まるで世間話をするように雲雀くんにまくしたてますババサマ。

「そーゆー変質者は死刑にするか、どっかに一生閉じ込めときゃいーのにねっ」

ババサマはもうすっかり井戸端会議な気分。

しかしそれとは裏腹に、
雲雀くんの心と頭は別の事でいっぱいでした。


(変質者ロリコン死刑、
超・気持ち悪い変態………
まさか僕の事じゃないよね………。)


この顔で雲雀くんは、意外ととってもナイーブなのです。
ババサマの一言一言が胸に突き刺さり、手に汗をかいてしまうほどなのでした。


…………

丁度そのとき、タイミングが良いやら悪いやら、ババサマの反対側のお隣さん、つまり田中さんがご帰宅なさりました。


「あらちとせちゃん!丁度いいわ、一緒に聞いてちょうだい!」

ババサマはさらに声を張り上げて田中さんを呼んだものですから、可愛そうに田中さんは、その小さな肩をウサギのようにビクンと跳ねさせました。


「いいこと?ちとせちゃん!」

ババサマは雲雀くんと田中さんを交互に見比べて、こう言いました。


「何かあったら、すぐに恭弥くんを呼びなさい。
そしたら、何時如何なる時でも、お兄ちゃんが速攻で駆け付けてくれるから!」

恭弥くんもわかったわね!24時間完全ガードよっ!


さっきよりももっと声を張り上げてババサマは言いました。おかげで、ババサマからは唾が幾度となく飛んできました。


(…さっきと言ってる事が違うんだけど。)

またまた口に出しそうになりましたが、雲雀くんはわきまえた坊っちゃんなので、何も言いませんでした。


「…あ、はぃ……。」

田中さんもわきまえた嬢ちゃんなので、「24時間もガードされたら心臓が保ちません!」とは言いませんでした。



(…あ、れ?)

き、気のせいかな?

一瞬…お兄ちゃんが泣きそうな顔に見えた…。



―――――――――……

僕って本当にどうしよう…




continue…

ぐだだーっ……!

ぐだぐた!カミカミ!
もう雲雀くんって誰!
こんなの雲雀じゃないよータハ---(ノД`泣)---ッ!

ではまた次回!

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あきゅろす。
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