風紀委員長様!(完)
どうしても2
「何で、廊下であんなことするのっ」
意識がはっきりしたちとせは、早速僕に怒りをぶつけてきた。
時間は丁度、お昼休み。
僕たちは昼食を食べながら、それでもお互いに距離をおいて座っていた。(なによりちとせを犯しかけた僕が、今近づくのは気が引けたからだ。)
「余裕が、なかった…」
僕にはあるまじき失態に、頬が熱くなる。そんな顔ちとせには見られたくないから、視線を成るだけ反対側に向けた。
ちとせはなにも言わない。
この僕が、沈黙に耐えられなくなるほどの沈黙。
僕、なにか間違ったことでも言っただろうか?
あまりに心配になってしまって、つい頬が赤いのも忘れて振り向いてしまった。
「!」
ちとせが、照れてる。
僕以上に火照ったその頬に、照れた要因はなんだったんだろうと思考をめぐらす。
あまりにビックリしすぎて、しばらく何をしていいのかわからなかった。
「ちとせ…?」
とりあえず名前を呼んでみた。うつむいたままちとせは反応しないので、同じソファーに腰掛けて手を伸ばす。
「ぅ…」
小さく反応はしてくれたけど、まだ何も反発しないので僕は、思い切ってちとせを抱き締めてみた。
「ぅぎゃっ」
……何とも色気のない声で驚かれてしまった。ただ、拒絶されなかったのは嬉しい。
ちょっとだけ体に力が入ったようだったけど、構わずちとせの顔を僕の胸板に押しつける。
「ひ、雲雀…」
苦しそうにトントンと背中を叩かれたので、少しだけ腕の力を緩めてやった。
どうやら、やっと何か話してくれる気になったようだ。
「なに?」
「…私も…、」
「うん」
「私も余裕、なかった…」
「…ワオ」
これまた夢でも見てるんじゃあないだろうか?
ちとせがこんなに素直に自分のことを教えてくれるなんて。
「雲雀のこと、鬱陶しいと思ってたのに…気付いたら、寂しくて…」
ちょっと涙声の彼女に、え?鬱陶しいと思ってたの?なんていう疑問すら、消えてしまうほど可愛いと思った。
「ちとせ…契約書、もう一回書いて」
だから次は、絶対に逃がさないための契約書を。
「うん…ごめんね、雲雀」
謝った彼女に、ごめんねと僕も心の中で謝罪した。
ちとせも、それなりに寂しがってくれたみたいだし、なにより完璧な契約書にサインがもらえたんだからよしとする。
でも三日間も離れるなんて、僕はもういやだからね?
―――…
「第十八条、この契約書で契約を結んだ者は、現風紀委員長の雲雀恭弥が辞任するまで、彼の傍を離れないこと」
―――――――――……
一日だって、許してあげないんだから!
continue…
やっちまったぜ…。
何この書き終えた達成感に勝る敗北感。
まぁ何と恥ずかしい話!
顔から火がでる!
さ、しっかり終われたので次!がむばろうぞ!
ではまた次回!
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